第31回世界遺産委員会クライストチャーチ会議

日本の「石見銀山遺跡とその文化的景観」の登録可否等を審議
「石見銀山遺跡とその文化的景観」、世界遺産リストに登録される(鉱業遺産としてはアジア初)
「ガラパゴス諸島」、危機遺産リストに登録
※「アラビアン・オリックス保護区」、世界遺産リストから抹消(世界遺産登録史上初)

ユネスコの世界遺産の数は、851 (初出国 ガボン、ナミビア)
2008年の第32回世界遺産委員会開催都市はカナダのケベック・シティ








 2007年6月23日から7月1日まで、ニュージーランド(面積 27万km2 日本の約4分の3、人口 約415万人 首都 ウエリントン)のクライストチャーチ市のクライストチャーチ・コンベンション・センターとタウン・ホール(86-95 Kilmore Street, Christchurch, New Zealand)で、ユネスコの第31回世界遺産委員会が開催されました。クライストチャーチ市(人口 約40万人 日本との時差 3時間)は、ニュージーランドで2番目の都市で、南島では最大の都市で、南東中部、東海岸側のカンタベリー平野にあります。

 世界遺産委員会は、184か国の世界遺産条約締約国から選任された21か国の締約国からなります。第31回世界遺産委員会の委員国は、ベニン、カナダ、チリ、キューバ、インド、イスラエル、日本、ケニア、クウェート、リトアニア、マダガスカル、モーリシャス、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ペルー、スペイン、韓国、チュニジア、アメリカ合衆国で、議長国はニュージーランド、ツム・テ・ヒュヒュ氏(Mr.Tumu Te Heuheu)が議長を務めます。ビューロー(幹事国)は、議長国のニュージーランド、副議長国のベニン、キューバ、日本、モロッコ、ノルウェーの副議長国、ラポルチュール(書記国)のカナダの7か国から構成されました。

 参加者は、海外からのデレゲーションが約900名、日本に関しては、「石見銀山遺跡」の登録の行方に注目が集まり、文化庁ほか政府関係者、地元の島根県、大田市の行政などの関係者、他の自治体関係者、NGO、研究者、学者、大学生が数多く参加しました。それに、取材の為に訪れた新聞、テレビなどのマスコミ関係者が、韓国<済州関連>、中国<開平、南方カルスト>、日本<石見銀山関連>などから数多く来ていました。

 第31回世界遺産委員会の議事日程と特記事項は、下記の通りです。

 2007年6月23日(土曜日) ビューロー・ミーティング、開会
 2007年6月24日(日曜日) 
 午前(9時〜13時) 
 議題と日程の採択
 第30回世界遺産委員会の報告
 世界遺産センターの活動と世界遺産委員会の決議の履行に関する報告
 太平洋地域に関する世界遺産プログラムのプレゼンテーション
 世界遺産の災害からのリスクの削減に関する戦略
 2007年4月2〜3日の会議の成果

 午後(14時半〜17時半) 
 危機にさらされている世界遺産リストの保護状況
 イブニング・セッション(18時〜20時半)
 ムグラビーの坂道とエルサレム旧市街と城壁
 2007年6月25日(月曜日) 
 午前 
 危機にさらされている世界遺産リストの保護状況
 エバーグレーズ国立公園(自然遺産 アメリカ合衆国 世界遺産登録1979年 
   危機遺産登録1993年 理由 ハリケーンと人口増加)
 リオ・プラターノ生物圏保護区(ホンジュラス 世界遺産登録1982年 
   危機遺産登録1996年 理由 入植、農地化、商業地化)は、
 保護管理状況が改善された為、「危機にさらされている世界遺産リスト」から解除された。

 アボメイの王宮(文化遺産 ベナン 世界遺産登録1985年 
   危機遺産登録1985年 理由 竜巻、雷雨)は、
 保護管理状況が改善された為、「危機にさらされている世界遺産リスト」から解除された

 ドレスデンのエルベ渓谷(文化遺産 ドイツ 世界遺産登録年2004年
   危機遺産登録2006年 理由 架橋計画による文化的景観の完全性の損失)は、
 世界遺産リストからの抹消が懸念されていたが、今回の世界遺産委員会では、結論を先送りにすることになった。

 カトマンズ(ネパール 世界遺産登録1979年/2006年 
   危機遺産登録2003年 理由 無秩序な都市開発)は、
 保護管理状況が改善された為、「危機にさらされている世界遺産リスト」から解除された

 午後 
 「顕著な普遍的価値」に関する討議
 世界遺産リストに登録されている物件の保護状況

 2007年6月26日(火曜日) 
 午前 
 世界遺産リストに登録されている物件の保護状況
  自然遺産、複合遺産、文化遺産の順に審議
  自然遺産の保護管理状況の報告。
    地域別(アフリカ、アラブ諸国、アジア・太平洋、ヨーロッパ・北米、 ラテンアメリカ・カリブ諸国)の順に審議

 ニオコロ・コバ国立公園(セネガル 世界遺産登録1981年 自然遺産)
 密猟の横行、ダム建設計画の危険と脅威から危機遺産リストに登録。

 アラビアン・オリックス保護区(オマーン 世界遺産登録1994年 自然遺産)
 鉱山開発等の為に登録範囲を勝手に変更、オペレーショナル・ガイドラインズ
 違反で、
世界遺産リストからの抹消も含め、審議が紛糾議事進行が大幅に
 遅れた。
賛否について投票が行われる。
 世界遺産リストからの抹消に賛成13、反対8、議決権数14に届かず、28日夕刻、再審議の結果、
 世界遺産リストからの抹消が決定。

 午後              〃
 
 ガラパゴス諸島
(エクアドル 世界遺産登録1978年/2001年 自然遺産)
 外来種の移入、観光客と移住者の増加による危険と脅威から危機遺産リストに登録。

 現地時間午後4時、複合遺産「マチュ・ピチュの歴史保護区」の保護管理状況の報告。
 現地時間午後4特20分 文化遺産の保護管理状況開始、最初は、ロシアの「キジ島」

 本来は、地域別(アフリカ、アラブ諸国、アジア・太平洋、ヨーロッパ・北米、ラテンアメリカ・カリブ諸国)の順に審議するが、
 時間の関係か、危機状況が深刻な物件を優先。

 イブニング・セッション 
 予算と世界遺産基金、
 世界遺産センターの監査報告

 2007年6月27日(水曜日) 

 午前 
 文化遺産の保護管理状況継続審議
 午後  現地時間午後1時11分 昼食
 現地時間午後2時30分 文化遺産の保護管理状況継続審議
 現地時間午後3時3分       〃   「古都奈良の文化財」開始
 現地時間午後3時6分       〃   「古都奈良の文化財」終了
 現地時間午後4時12分 文化遺産の保護管理状況継続審議終了

 現地時間午後4時13分 オペレーショナルガイドラインズに準拠した
  2007年3月1日現在の締約国の暫定リスト、審議開始

 午後 

 新登録物件の審議

 現地時間午後5時00分 世界遺産リストに登録されている物件の名称の変更の審議開始
 現地時間午後5時21分 IUCNのEvaluation Processの説明が始まる。

 新登録(審議順 アフリカ、アラブ諸国、アジア・太平洋、ヨーロッパ・北米、
            ラテンアメリカ・カリブ海地域 専門機関評価→審議結果)


 マダガスカル Rainforests of the Atsinanana  I  →  I(自然遺産登録)
 中国 South China Karst  I/D →  (自然遺産登録)
 韓国 Jeju Volcanic Island and Lava Tubes  I → (自然遺産登録)


 2007年6月28日(木曜日) 

 午前 
 新登録物件の継続審議、
 スロヴァキア / ウクライナ Primeval Beech Forests of the Carpathians  → (自然遺産登録)
 スペイン Teide National Park    → I(自然遺産登録)
 スイス Jungfrau-Aletsch-Bietschhorn  OK 登録範囲の拡大
 南アフリカ The Richtersveld Cultural and Botanical Landscape  I/D → (文化遺産登録)
 ガボン Ecosystem and Relict Cultural Landscape of Lope-Okanda → I(複合遺産登録)

 現地時間午前11時21分 文化遺産の審議が始まる。
 ICOMOSのEvaluation Processの説明が始まる。

 午後 
 新登録物件の審議
  現地時間午後0時8分 ナミビア 審議開始
 現地時間午後0時21分  
 ナミビア
 Twyfelfontein or / Ui // aes   → I(文化遺産登録)
 現地時間午後0時23分 中国 審議開始
  現地時間午後0時35分
 中国 Kaiping Daiaolou and Villages  I → I(文化遺産登録)
 現地時間午後0時35分 イラクについて、ICOMOSプレゼン開始。
  現地時間午後0時43分 プレゼン終了、審議開始。
 現地時間午後0時52分
 イラク Samarra Archaeological City   → I(文化遺産登録)  危機遺産登録
  現地時間午後1時〜2時半 昼食

 現地時間午後2時41分、「石見銀山遺跡」、 ICOMOSのプレゼン開始
 現地時間午後2時50分 ICOMOSのプレゼン終了(この間、約9分)
 現地時間午後2時50分 審議開始
   チリ 世界遺産として大変価値がある。
   モロッコ 石見銀山遺跡を評価すべき。日本の鉱山を評価すべき。
         ICOMOSは、評価すべきところを評価していない。
         日本は研究すべきところを今後どれくらい研究できるのか。
   日本 継続的な研究を行う。
   ケニア  当時の環境を評価すべき。真実性はある。すぐ登録すべき。
   インド  顕著な普遍的価値があり評価できる。
   イスラエル 反論書に対するICOMOSの意見は?
   ICOMOS  ?
   イスラエル ICOMOSはもっと調べる必要がある。
   マダガスカル どの様な保護活動をしているのか?
   日本 きちんと保護管理している。
   オランダ 登録すべき。
   議長 反対する人はいるか?
   韓国 もっと研究する様に。
   ケニア
   カナダ 登録基準の(iii)(V)は該当する。
   ケニア 今頃、提案するのではなく、登録してから進めれば良い。
   アメリカ合衆国 登録するのであれば、比較する必要はない。
   韓国 韓国は反対しているわけではない。もっと情報が必要。
   インド
   ユネスコ世界遺産センター
   インド 比較書類ではなく、今後、継続的に研究すれば良い。
   韓国
   ラポルチュール(書記国) 韓国、中国、東南アジアの他の鉱山との比較研究が必要
   モロッコ
   ニュージーランド 他の地域とも比較すべきだ。
   モロッコ
   ラポルチュール(書記国) 登録することに反対意見はない。
 現地時間午後3時25分 議長、登録することを採択、結審(審議時間 35分)                           
 日本 Iwami Ginzan Silver Mine and its Cultural Landscape  → I(文化遺産登録)
 現地時間午後3時26分 近藤大使挨拶  今後も国際的な文化協力をしたい。

 トルクメニスタン The Parthian Fortresses of Nisa  I → I(文化遺産登録)
 オーストラリア Sydney Opera House   → I(文化遺産登録)
 インド The Red Fort Complex   → I(文化遺産登録)
 ボスニア・ヘルツェゴビナ Mehmed Pasa Sokolovic Bridge in Visegrad R → I(文化遺産登録)
 カナダ The Rideau Canal  I → I(文化遺産登録)  
 フランス Bordeaux, Port of the Moon  I → I(文化遺産登録)
 ギリシャ The Old Town of Corfu   → I(文化遺産登録)
 スイス Lavaux, Vineyard Terraces overlooking the Lake and the Alps    → I(文化遺産登録)

 アラビアン・オリックス保護区(オマーン 世界遺産登録1994年 自然遺産)の世界遺産リストからの抹消が決定。

 2007年6月29日(金曜日) 

 セルビア Gamzigrad-Romuliana, Palace of Galerius   → I(文化遺産登録)
 アゼルバイジャン Gobustan Rock Art Cultural Landscape R → I(文化遺産登録)
 メキシコ Central University City Campus of the Universidad Nacional Autonoma de Mexico  I → I(文化遺産登録)

 新登録 22(文化遺産 16 自然遺産 5 複合遺産 1)

 「世界遺産リスト」の更新

 851(文化遺産 660 自然遺産 166 複合遺産 25)

 「危機にさらされている世界遺産リスト」の更新

 30(文化遺産 17 自然遺産 13

 グローバル・ストラテジー(ケアンズ・蘇州デシジョンの評価)
 ヨーロッパの定期報告のフォロー・アップ
 アジア・太平洋地域の定期報告のフォローアップ
 定期報告の次のサイクルの準備に関して
 パレスチナの文化・自然遺産の保護
 「カパック・ニャン(Qhapaq Nan)−主要なアンデスの道」の世界遺産リストへの登録に関して
 自然遺産の能力開発に関するグローバルな枠組み計画の履行
 世界遺産の保護イニシャティブに関するパートナーシップ(PACT)の評価 
 国際援助
 その他
 第32回世界遺産委員会の議長国、副議長国、書記国の選挙
 第32回世界遺産委員会の議事日程

 2007年6月30日(土曜日) 

 世界遺産条約国締約国特別総会日
 2007年10月の第16回世界遺産条約締約国総会について
 世界遺産への気候変動の影響
 世界遺産委員会の戦略的目標の履行の結果の評価
 世界遺産委員会の運用方法について
 世界遺産委員会の委員国の選挙について

 2007年7月1日(日曜日)  休会

 2007年7月2日(月曜日)  
 午前 
 ユネスコ世界遺産センターと書記国による報告書の準備
                    
 午後 
 決議の採択


 2007年の世界遺産委員会への参加は、例年とは異なり緊張感のあるものでした。

 @2007年4月から、サイバー大学世界遺産学部の教授を務めており、世界遺産委員会の会期中は、春学期中であり、
  コンピューターを持参して、授業に当たったことです。ニュージーランドのブロードバンドの環境が心配でしたが、
  国内にいる時と同様にログ・イン出来、授業に支障はありませんでした。通学制の大学では、世界遺産委員会に
  参加する際には休講にせざるを得ませんが、サイバー大学では、インターネットの環境さえあれば、海外からでも
  授業は出来るのです。  

 ANHKから帰国後に、「石見銀山遺跡」の世界遺産委員会での審議の様子をスタジオで解説して欲しいとの申し出が
  あり、審議経過を、より正しく把握する必要があったことです。英語に通訳された機器はあるものの、スペイン語、
  フランス語、訛りのある英語も正確に聴き取るのは、大変な作業でした。

 B後進の指導ということもあって、世界遺産のことを勉強したいと志願していた大学の後輩の太田君と後継には
  なりそうもない娘の2人の大学生を伴っての参加でした。

 今年の世界遺産登録の特色としては、

 @結果的に、22物件が新登録されたわけですが、ユネスコ世界遺産センターの登録申請書類の形式審査、
  受理されたものについては、IUCNやICOMOSの専門機関に世界遺産にふさわしいかどうかの調査と評価を
  依頼、専門機関の評価レポートに基づいて、「世界遺産リスト」への登録の可否が世界遺産委員会で決まる
  わけですが、最終的には、厳選されたものが選ばれる様になっていることです。何を分母にして、当落率を
  出すかにもよりますが、実質的には、50%を切っている様に思います。

 A今年も矢張り、グロバール・ストラテジーに沿った形で、文化的景観が6物件、産業遺産が3物件、20世紀の
  建築が2物件、合計 11物件と、約半数を占めるに至っています。なかでも、産業遺産については、運河や石橋
  の土木遺産の2物件が印象的でした。20世紀の建築についても、国際設計コンペでの入選作品や大学の
  キャンパスの建築遺産として評価されたことも新鮮でした。

 B地域的には、偏重しているヨーロッパ・北米地域の比率が若干下がり、アフリカ地域やアジア・太平洋地域の
  比率が若干上がった様に思います。

 また、驚きの連続でした。

 @「石見銀山遺跡とその文化的景観」の、いわゆる、「逆転登録」です。「石見銀山遺跡」が世界遺産になったのは、
  日本人の一人として、大変、嬉しく思いました。しかしながら、長年、世界遺産のことを研究している立場からいうと、
  好ましくない出来事に思えました。ICOMOSの専門家が現地調査をし、文献担当や鉱山遺跡の専門家を交えての
  ICOMOSの国際的なネットワークを駆使したパネル会議で、「登録延期」の勧告の意思決定をしたものが、日本の
  近藤大使を除いて、おそらく、石見銀山遺跡を見たこともない委員国を代表し発言するユネスコ全権大使等を中心
  とする世界遺産委員会で、書類とスライドの情報だけで、専門家集団の勧告を覆すことは、通常では考えられない
  からです。勿論、近藤大使、外務省、文化庁、島根県、大田市ほか関係者のご努力は称えられますが、世界遺産
  とは、外交努力で、「顕著な普遍的価値」の証明にあたって、真正性や完全性の評価が覆る性格のものではない
  からです。本当に「環境との共生」が図られてきた鉱山遺跡なのでしょうか。世界遺産の構成資産の一つである
  五百羅漢のことを調べていると「環境との共生」が図られてきたとするならば、鉱山労働は過酷とはいえ、
  鉱山労働者は、もっと長生きができたのではないかと思うのです。今回のことにより、逆に、専門機関としての
  ICOMOSの調査や評価の信頼性が損なわれたことになり、新たな問題や課題を世界遺産委員会やICOMOSは
  抱えたことになります。(かく言う私もICOMOSの一員なのですが……)

 Aオマーンの「アラビアン・オリックス保護区」の「世界遺産リスト」からの抹消でした。1978年にエクアドルの
  「ガラパゴス諸島」などが初めて「世界遺産リスト」に登録された約30年の世界遺産登録史のなかで、
  初めてのケースとなる「世界遺産リスト」からの抹消です。このことは、オマーンという国にとっても、大変、
  不名誉なことです。このことの背景には、世界遺産登録範囲内での炭化水素の採取のことがあげられます。
  鉱物資源開発をとるか、国際的な絶滅危惧種の保護にあたるかの選択の中で、鉱物資源開発の方が国益が
  高いと判断したのでしょう。世界遺産条約の約束事を守らなかったことの責任は大きいと思います。目先の利益
  よりも世界遺産条約締約国としての信用が失われたことになります。世界遺産条約に違約した場合でも、
  そのまま、世界遺産条約締約国のままで、いれるのでしょうか?オマーンには、「アラビアン・オリックス保護区」の
  ほかにも、「バフラ城塞」、「バット、アルフトゥムとアルアインの考古学遺跡」、「フランキンセスの地」、「オマーンの
  アフラジ灌漑施設」の4つの文化遺産が「世界遺産リスト」に登録されています。

 B次元の異なる私事に及びますが、私は、喫煙します。通常ですと、関西国際空港の免税店で、1カートン、
  日本のタバコを用意していくのですが、今回は、時間がなく、買うことが出来ませんでした。
  従って、ニュージーランドの国内で、買わざるを得なくなったのですが、値段を聞いてビックリ、最も安いタバコでも
  日本円に換算すると千円以上、1本50円以上のタバコを吸うとなると、その価値が3倍以上、日本もこういうシステム
  にすると、健康と環境に優しい国になるかなと、これまた、驚きでした。


 尚、新登録物件の概要等については、シンクタンクせとうち総合研究機構発行の世界遺産シリーズ、「世界遺産ガイド」、
「世界遺産データ・ブック」の中で、逐次、ご紹介してまいります。               
                                   
  
                                                   古田 陽久



第31回世界遺産委員会で候補になった物件


  自然遺産関係(11)   専門機関の勧告

   中国 South China Karst  I/D
   フランス Speleothems of French Limestone Caves, Outstanding Records  
          of Karst Processes and Archives of Palaeoclimates
   イタリア The Dolomites  N/D
   マダガスカル Rainforests of the Atsinanana  I
   メキシコ Banco Chinchorro Biosphere Reserve  
   韓国 Jeju Volcanic Island and Lava Tubes  I
   スロヴァキア / ウクライナ Primeval Beech Forests of the Carpathians  
   南アフリカ Prince Edward Islands  
   スペイン Teide National Park  
   スイス Jungfrau-Aletsch-Bietschhorn  OK(登録範囲の拡大)
   ヴィエト・ナム Ba Be National Park  N
                                     ↓

  複合遺産関係(2)

   ガボン Ecosystem and Relict Cultural Landscape of Lope-Okanda
   南アフリカ The Richtersveld Cultural and Botanical Landscape  I/D

  文化遺産関係(32)

   アルバニア The Historic Centre of Berat  
   アルゼンチン Foundational City Area of La Plata  
   オーストラリア Sydney Opera House  
   オーストリア Bregenzerwald Cultural Landscape  
   アゼルバイジャン Gobustan Rock Art Cultural Landscape  
   ボスニア・ヘルツェゴビナ Mehmed Pasa Sokolovic Bridge in Visegrad  
   カンボディア The Sacred Site of the Temple of Preah Vihea  
   カナダ The Rideau Canal  I                                     
   中国 Kaiping Daiaolou and Villages  I
   チェコ Hand Paper Mill at Velke Losiny  
   フィンランド Paimio Hospital (former Paimio sanatorium)  
   フランス Bordeaux, Port of the Moon  I
   フランス/ スペイン The Mediterranean Shore of the Pyrenees  
   ドイツ Heidelberg Castle and Old Town  
   ギリシャ The Old Town of Corfu  
   インド The Red Fort Complex  
   イラク Samarra Archaeological City  
   イスラエル Baha'i Holy Places in Haifa and the Western Galilee  
   イタリア Valnerina and the Marmore Cascade  

   日本 Iwami Ginzan Silver Mine and its Cultural Landscape  
        1.Having examined documents WHc-06/30.COM/8B and
          WHC-06/30.COM/INF.8B.1.
        2.Defers the examination of the nomination of Iwami Ginzan Silver Mine and
          its Cultural Landscape, Japan, to the world heritage List in order to allow
          the State Party to:
            a)Investigate more fully the development and application of technology
             at the mines:  
            b)Investigate the overall impact of the mining enterprises in the region and
             further a field in order to establish whether the property has the potential to    
             demonstrate outstanding universal value as a site that had a substantial
             impact outside its own area in terms of technological change, economic
             leverage and cultural exchange.         
        3.Recommends that attention is given to putting in place the proposed
          management arrangements, completing the tourism and interpretation plan, and
          continuing with conservation work on historic structures;
        4.Further recommends that a more detailked archaeological strategy is developed to    
          address the consolidation of underground remains vis a vis the encroaching tree
          cover, and the investigation of water pollution, and that strategies to address new    
          mortorways and possible clay mining are adopted

    ケニア The Sacred Mijikenda Kaya Forests  
    キルギスタン The Sulaiman-Too Cultural Landscape (Sacred Mountain)  
    メキシコ Central University City Campus of the Universidad Nacional Autonoma  
           de Mexico
    ナミビア Twyfelfontein or / Ui // aes  
    フィリピン The Batanes Cultural Landscapes  
    ポーランド Gdansk-The Site of Memory and Freedom  
    ルーマニア Sibiu, the Historic Centre  
    セルビア Gamzigrad-Romuliana, Palace of Galerius  
    スイス Lavaux, Vineyard Terraces overlooking the Lake and the Alps  
    タジキスタン Sarazm  
    トルクメニスタン The Parthian Fortresses of Nisa  
    イギリス Darwin at Downe  

      (注)I=Recommended for inscription (登録勧告)
        R=Recommended for referral (照会勧告)
         D=Recommended for deferral (延期勧告)
         OK=Apploval Recommended of an extension or a modification
             (拡大或は修正是認勧告)
         N=Not recommended for inscription (不登録勧告)



                           







帰国報告会・エッセイ・依頼事項等について
第27回世界遺産委員会パリ会議、第28回世界遺産委員会蘇州会議、第29回世界遺産委員会ダーバン会議、第30回世界遺産委員会ヴィリニュス会議に続いて、今回もオブザーバー・ステイタスで、参加致します。帰国後の報告会、エッセイ等の執筆、依頼事項等がございましたら、ご連絡下さい





参考文献
世界遺産学のすすめ−世界遺産が地域を拓く−
世界遺産データ・ブック−2007年版−
世界遺産マップス−2006改訂版−
世界遺産ガイド−世界遺産条約編−
世界遺産ガイド−図表で見るユネスコの世界遺産編−
世界遺産ガイド−世界遺産の基礎知識−
世界遺産事典−830全物件プロフィール−2007改訂版
世界遺産キーワード事典
世界遺産入門−過去から未来へのメッセージ−
世界遺産学入門−もっと知りたい世界遺産−
世界遺産ガイド−自然景観編−
世界遺産ガイド−自然保護区編−
世界遺産ガイド−日本編−2006改訂版
世界遺産ガイド-自然遺産編-2006改訂版
世界遺産ガイド-文化遺産編-2006改訂版
世界遺産ガイド−文化遺産編−4.文化的景観
世界遺産ガイド-複合遺産編-2006改訂版
世界遺産ガイド-危機遺産編-2006改訂版
誇れる郷土ガイド−全国47都道府県の誇れる景観編−
誇れる郷土ガイド−国際交流・協力編−
誇れる郷土ガイド−全国の世界遺産登録運動の動き−
世界遺産ガイド−日本の世界遺産登録運動−





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