第28回世界遺産委員会蘇州会議
報 告
ユネスコの世界遺産の数は788に



 2004年6月28日から7月7日まで、中国江蘇省蘇州市(人口 210万人<大都市圏580万人> 面積 1,650ku<8,488ku>)の蘇州市企画展示館の会議場で、第28回世界遺産委員会(178か国の世界遺産条約締約国から選ばれたアルゼンチン、中国、コロンビア、エジプト、レバノン、ナイジェリア、オーマン、ポルトガル、ロシア、セントルシア、南アフリカ、イギリス、チリ、インド、クウェート、ニュージーランド、ベニン、日本、リトアニア、オランダ、ノルウェーの21か国の委員国で構成)が開催されました。議長は、中国の章新勝(Mr Zhang Xinsheng)教育次官が務めました。

 第28回世界遺産委員会には、100を越える世界の国々から1000人近い人々が出席し、蘇州市では、市内の美化活動、それに、マスコット・キャラクターが登場するなど、市あげての歓迎色に包まれました。

 今回の世界遺産委員会の議案の順番は、昨年と異なり、「世界遺産リスト」への新登録物件の審議が先行し、「危機にさらされている世界遺産リスト」や「世界遺産リスト」に登録されている物件の保護管理状況に関する報告が後になりました。従って、ニュース・リリースも「世界遺産リスト」への新登録物件、「危機にさらされて世界遺産リスト」への新登録物件という順序になりました。

 新登録物件については,イランBam Cultural Landscape(バムの文化的景観)、モンゴルのOrkhon Valley Cultural Landscape(オルホン渓谷の文化的景観)、北朝鮮のComplex of Koguryo Tombs(高句麗古墳群)中国のCapital Cities and Tombs of the Ancient Koguryo Kingdom(古代高句麗王国の首都群と古墳群)、日本のSacred Sites and Pilgrimage Routes in the Kii Mountain Range(紀伊山地の霊場と参詣道)、インドネシアのTropical Rainforest Heritage of Sumatra (スマトラの熱帯雨林遺産イギリスのLiverpool -Maritime Mercantile Cityリバプール-海商都市)ドイツのDresden Elbe Valley(ドレスデンのエルベ渓谷)、デンマークのIlulissat Icefjord(イルリサート・アイスフィヨルド)スウェーデンのVarberg Radio Station(ヴァルベルイの無線通信所)、メキシコのLuis Barragan House and Studio(ルイス・バラガン邸と仕事場)など29か国の34物件が、新たにユネスコの「世界遺産リスト」に登録されました。

 新たに登録された34物件の内訳は、地球上の顕著な普遍的価値をもつ地形・地質、生態系、自然景観、生物多様性などの自然遺産が5物件、人類の英知と人間活動の所産を様々な形で語り続ける顕著な普遍的価値をもつ遺跡、建造物群、モニュメントなどの文化遺産が29物件です。

 登録遺産は、氷河、火山、熱帯雨林、植物群集、生物多様性、文化的景観、渓谷、草原、庭園、公園、葡萄園、農場、農村、漁村、集落、考古学遺跡、都跡、壁画、古墳、墓地、修道院、寺院、神社、信仰の道、要塞、ペトログラフ(岩石に刻まれた文字や文様)、港、駅舎、無線通信所、展示館、市庁舎、彫像、邸宅など多様で多彩です。

 これらは、知名度や鑑賞価値が高いものばかりではありません。規模や外観ではなく、歴史上、民族学上、人類学上、芸術上、学術上、保存上、或は、景観上の観点から質の高い、「顕著な普遍的価値」を有する傑出したものばかりです。

 歴史的には、紀元前9〜1世紀のイタリアのEtruscan Necropolises of Cerveteri and Tarquinia(チェルヴェテリとタルクィニアのエトルリア墳墓群)から20世紀のスウェーデンの産業遺産Varberg Radio Station(ヴァルベルイの無線通信所)(注)、メキシコの近代建築の巨匠のLuis Barragan House and Studio(ルイス・バラガン邸と仕事場)に至るまで様々です。
(注)ヴァルベルイの無線通信所は、日本の愛知県刈谷市にある依佐美(よさみ)送信所<日本の対ヨーロッパ無線通信発祥の地>のような通信施設で、大西洋横断の無線通信のさきがけとなった記念物です。

 これらの中には、歴史的人物ゆかりの世界遺産や世界遺産地もあります。イスラム教を創始した預言者ムハンマド(マホメット 570頃〜632年)ともゆかりの深いUm er-Rasas <Kastrom Mefa’a(ウム・エル・ラサス <カストロン・メファー>(注))、モンゴル帝国の創始者チンギス=ハン(太祖 1167頃〜1227年)ゆかりのOrkhon Valley Cultural Landscape(オルホン渓谷の文化的景観)、メキシコのモダニズムを代表する建築家ルイス・バラガン(1902〜1988年)ゆかりのLuis Barragan House and Studio(ルイス・バラガン邸と仕事場)、ビートルズ(1962〜1970年)の4人のメンバーの生誕地でもあるLiverpool-Maritime Mercantile City(リバプール-海商都市)などです。
(注)ウム・エル・ラサスは、遺跡がある場所の地名。 カストロン・メファーは、ウマイヤ朝時代の地名。

 また、ユニークなものとしては、オーストラリアのメルボルンにあるRoyal Exhibition Building and Carlton Gardens(王立展示館カールトン庭園インドのムンバイ(旧ボンベイ)にあるChhatrapati Shivaji Terminus<formerly Victoria Terminus>(チャトラパティ・シヴァジ・ターミナス駅<旧ヴィクトリア・ターミナス駅>、それに、前述したスウェーデンの南部の町グリムトンにあるVarberg Radio Station(ヴァルベルイの無線通信所)などです。

 王立展示館は、1880年メルボルン国際博覧会、1888年のオーストラリア植民地生誕百周年記念国際博覧会開催の為に設計された建物で、その建築様式やレイアウトは見事で、その後も、様々な行事に活用され、また、世界各地で開催された博覧会の展示にも大きな影響を与えました。


 旧ヴィクトリア・ターミナス駅は、英国人の建築家F.W.スティーブンスによって設計されたヴィクトリア朝ゴシック様式と伝統的なインド様式が融合した荘厳な建築物で、インド鉄道が創業した際に第1号列車が初めて出発した駅としても有名です。

 地域別では、アフリカ 3物件(8.8% 昨年12.5%)、アラブ諸国 2物件(5.9% 昨年8.3%)、アジア・太平洋 11物件(32.3% 昨年33.3%)、ヨーロッパ・北米 16物件(47.1% 昨年37.5%)、ラテンアメリカ・カリブ海地域 2物件(5.9% 昨年12.5%)です。

 これで、顕著な普遍的価値を有するユネスコ世界遺産は、自然遺産が154物件、文化遺産が611物件、複合遺産が23物件、合計で、788物件(134か国)になりました。

 世界遺産リストへの新登録や登録範囲の延長・拡大関係について審議された物件は48物件で、新登録関係が41物件(先回の世界遺産委員会で登録が見送りになった10物件、2か国にまたがるものが1物件、緊急登録が1物件を含む)、登録範囲の延長・拡大については7物件の審議が行われました。複合物件については、当初2物件がノミネートされていましたが、登録要件を満たさず、登録は見送られました。

 日本からは、「紀伊山地の霊場と参詣道」が、申請通りに登録され、日本では12番目(文化遺産では、10番目)の世界遺産が誕生しました。なかでも、日本の「文化的景観」が公式に認められた最初の事例となります。自然崇拝と浄土思想を顕著に表した日本の紀伊山地の「文化的景観」です。この物件の評価を担当したICOMOS(国際記念物遺跡会議)の責任者から物件の概要説明と評価のコメントがなされ、議長から委員国に意見が求められましたが異論はありませんでした。   

 なかでも、この物件に対するICOMOSの評価レポートの纏め方には、複数の委員国から讃辞が贈られました。登録基準の(Y)が含まれることもありますが、文化遺産を有形遺産(Tangible 山岳霊場や参詣道)と無形遺産(Intangible 修験道、神仏習合、真言密教、伝統行事)の両方の視点から特徴づける整理の仕方は、大変、説得力のあるプレゼンテーションの仕方であった様に思いました。また、ヨーロッパ、アフリカ、アラブ諸国の委員から見た三つの霊場(吉野・大峯、熊野三山<本宮、新宮、那智>
、高野山)と、これらを結ぶ参詣道(大峯奥駈道<おおみねおくがけみち>、熊野参詣道(中辺路<くまのさんけいみちなかへち>、小辺路<こへち>、大辺路<おおへち>、伊勢路)、高野山町石道<こうやさんちょういしみち>)は、大変ユニークなものに映るらしいことも印象的でした。


 また,北朝鮮の「高句麗古墳群」については、昨年、パリで開催された第27回世界遺産委員会で、真正性(オーセンティシティ)についての再評価、保全状況、国境をはさんで、中国側の「高句麗の古代都市や皇族と貴族の古墳群」を含めた登録範囲の見直しなどの課題があって登録が見送りになりましたが、今回、結果的には、2物件として登録されました。

 中国側の「古代高句麗王国の首都群と古墳群」、そして、北朝鮮の「高句麗古墳群」の登録に関して、日本の佐藤禎一ユネスコ日本政府代表部大使は、「高句麗文化は、古代日本の歴史や文化にも多大な影響を与えたかけがえのない遺産であり、日本政府としても強く推薦したい」旨の発言がありました。

(注)日本の奈良県明日香村の高松塚古墳とキトラ古墳の壁画は、描法もさることながら、内容についても、高句麗古墳壁画の宗教・思想性など、当時の世界観に基づいたものではないかと言われています。

 一連の高句麗文化の遺産として、国境を越えた「高句麗遺跡群」としての登録が望ましいが、今では、所在する国が異なること、また、それぞれの国の法律や文化財保護制度も異なることから、それぞれが恒久的な保護管理を行っていくことになったのだと思います。二国にまたがる世界遺産の事例は幾つもありますが、自然遺産と文化遺産、或は、ヨーロッパとアジアでは、その考え方も異なり、一元管理のあり方が理想通りにはならない現実があります。


 今回、初めて「世界遺産リスト」に物件が登録された国は、北朝鮮、アンドラ、アイスランド、トーゴ、セント・ルシアの5か国です。また、今年の新登録物件34物件の特色として、文化遺産29物件のうち、自然環境と人間の営みが長い時間をかけて形成した風景である「文化的景観」のカテゴリーが適用されたものが、13物件(44.8%)あります。

 アンドラのMadriu-Perafita-Claror Valley(マドリュウ・ペラフィタ・クラロー渓谷)
、日本のSacred Sites and Pilgrimage Routes in the Kii Mountain Range(紀伊山地の霊場と参詣道)、カザフスタンのPetroglyphs within the Archaeological Landscape of Tamgaly(タムガリの考古学的景観とペトログラフ)、モンゴルのOrkhon Valley Cultural Landscape(オルホン渓谷の文化的景観)、ノルウェーのVegaoyan - the Vega Archipelago(ヴェガオヤン−ヴェガ群島)、トーゴのKoutammakou, the Land of the Batammaribaバタムマリバ族の地 コウタマコウ)ドイツのDresden Elbe Valley(ドレスデンのエルベ渓谷)ドイツ/ポーランド - Muskauer Park/Park Muzakowskiムスカウ公園 / ムザコフスキー公園)アイスランドのTingvellir National Parkシンクヴェトリル国立公園イタリアのVal d'Orcia(オルチャ渓谷)、リトアニアのKernave Archeological Site <Cultural Reserve of Kernaveケルナヴェ考古学遺跡 <ケルナヴェ文化保護区>)、ポルトガルのLandscape of the Pico Island Vineyard Culture(ピコ島の葡萄園文化の景観)
イランBam Cultural Landscape(バムの文化的景観)と多様です。

 また、既に世界遺産リストに登録されている物件のうち登録範囲の拡大・延長等が行われたものが6物件あります。

 2003年12月26日の地震で26,000人もの死者を出したイランの都市バムにある考古学遺跡は、「Bam Cultural Landscape」イランとして、「世界遺産リスト」に緊急登録され、同時に「危機にさらされている世界遺産リスト」にも登録されました。ユネスコの文化セクター事務局長補のムニール・ブシェナキ(Mounir Bouchenaki)氏は、この荒廃した都市の文化遺産を救済する為の努力を今後も継続していく旨のユネスコの松浦晃一郎事務局長の声明を発表しました。

 ブシェナキ事務局長補とは、来日時にあるレセプションで、お目にかかったことがありますが、今回、新たに登録された北朝鮮のComplex of Koguryo Tombs(高句麗古墳群)の登録が決まった後のコーヒー・ブレイクの際にも、北朝鮮からの代表団団長(李儀夏 朝鮮文化保存局指導部副部長)に優しいお言葉をおかけになるなど、人間的にも大変素晴らしい方です。
,
 危機遺産に関しては、これまでに,「危機にさらされている世界遺産リスト」に登録されていたカンボジアのAngkor(アンコール)オマーンのBahla Fort (バフラ城塞)ウガンダのRwenzori Mountains National Park(ルウェンゾリ山地国立公園)の3物件の保全状況が改善された為、「危機にさらされている世界遺産リスト」から除かれました

 一方、新たに、「危機にさらされている世界遺産リスト」には、前述したイランのBam Cultural Landscape(バムの文化的景観)の他に
ドイツのCathedral of Cologne (ケルン大聖堂)とタンザニアのRuins of Kilwani and Ruins of Songo Mnara(キルワ・キシワーニとソンゴ・ムナラの遺跡が登録されました。

 ドイツのケルン大聖堂は、1996年に世界遺産リストに登録されましたが、近年、大聖堂の近くを流れるライン川の河岸に幾つかの高層ビルの建設が問題になっています。今回の危機遺産登録は、大聖堂の周辺の都市景観の完全性(Integrity)が損なわれる為、警鐘を鳴らす意味のものです。

 タンザニアのキルワ・キシワーニとソンゴ・ムナラの遺跡は、1981年に世界遺産リストに登録されたインド洋上の島にある、かつてのインド洋交易の栄華を誇る遺跡です。海水の浸食による建物の崩壊、管理体制の欠如などの理由から「危機にさらされている世界遺産リスト」に登録されました。

 従って、「危機にさらされている世界遺産リスト」に登録されている物件は、
35物件となりました。


【「世界遺産リスト」への新登録物件 34物件(29か国)】

自然遺産 5物件

デンマーク - Ilulissat Icefjord(イルリサート・アイスフィヨルド)
Located on the west coast of Greenland, 250-km north of the Arctic Circle, Greenland's Ilulissat Icefjord (40,240-ha) is the sea mouth of Sermeq Kujalleq, one of the few glaciers through which the Greenland ice cap reaches the sea. Sermeq Kujalleq is one of the fastest (19-m per day) and most active glaciers in the world. It annually calves over 35 cubic kilometres of ice, i.e. 10 percent of the production of all Greenland calf ice and more than any other glacier outside Antarctica. Studied for over 250 years, it has helped develop our understanding of climate change and icecap glaciology. The combination of a huge ice-sheet and the dramatic sounds of a fast-moving glacial ice-stream calving into a fjord covered by icebergs makes for a dramatic and awe-inspiring natural phenomenon.
自然遺産 

インドネシア - Tropical Rainforest Heritage of Sumatra (スマトラの熱帯雨林遺産
The 2.5 million hectare Tropical Rainforest Heritage of Sumatra site comprises three national parks: Gunung Leuser National Park, Kerinci Seblat National Park and Bukit Barisan Selatan National Park. The site holds the greatest potential for long term conservation of the distinctive and diverse biota of Sumatra, including many endangered species. The protected area is home to an estimated 10,000 plant species, including 17 endemic genera; more than 200 mammal species; and some 580 bird species of which 465 are resident and 21 are endemic. Of the mammal species, 22 are Asian, not found elsewhere in the archipelago and 15 are confined to the Indonesian region, including the endemic Sumatran orangutan. It also provides biogeographic evidence of the evolution of the island.
自然遺産 

ロシア連邦 - Natural System of Wrangel Island Reserve(ウランゲル島保護区の自然体系)
Located well above the Arctic Circle, the site includes the mountainous Wrangel Island (7,608-km2), Herald Island (11-km2) and surrounding waters. Wrangel was not glaciated during the Quaternary Ice Age resulting in exceptionally high levels of biodiversity for this region. The island boasts the world's largest population of Pacific walrus and the highest density of ancestral polar bear dens. It is a major feeding ground for the grey whale migrating from Mexico and the northernmost nesting ground for 100 migratory bird species, many endangered. Currently, 417 species and sub-species of vascular plants have been identified on the island, double that of any other arctic tundra territory of comparable size and more than any other Arctic island. Some species are derivative of widespread continental forms, others are the result of recent hybridisation. Twenty three are endemic.
自然遺産 

セント・ルシア - Pitons Management Area(ピトン管理地域)
The 2,909-ha site near the town of Soufriere, includes the Pitons, two volcanic spires rising side by side from the sea (770-m and 743-m high respectively), linked by the Piton Mitan ridge. The volcanic complex includes a geothermal field with sulphurous fumeroles and hot springs. Coral reefs cover almost 60 percent of the site's marine area. A survey has revealed 168 species of finfish, 60 species of cnidaria, including corals, eight molluscs, 14 sponges, 11 echinoderms, 15 arthropods and eight annelid worms. Hawksbill turtles are seen inshore, whale sharks and pilot whales offshore. The dominant terrestrial vegetation is tropical moist forest grading to subtropical wet forest with small areas of dry forest and wet elfin woodland on the summits. At least 148 plant species have been recorded on Gros Piton, 97 on Petit Piton and the intervening ridge, among them eight rare tree species. The Gros Piton is home to some 27 bird species (five of them endemic), three indigenous rodents, one opossum, three bats, eight reptiles and three amphibians.
自然遺産 

南アフリカ - Cape Floral Region Protected Areas(ケープ・フローラル地方の保護地域)
A serial site - in Cape Province, South Africa - made up of eight protected areas, covering 553,000-ha. The Cape Floral Region is one of the richest areas for plants in the world. It represents less than 0.5 percent of the area of Africa but is home to nearly 20 percent of the continent's flora. The site displays outstanding ecological and biological processes associated with the Fynbos vegetation, which is unique to the Cape Floral Region. The outstanding diversity, density and endemism of the flora are among the highest worldwide. Unique plant reproductive strategies, adaptive to fire, patterns of seed dispersal by insects, as well as patterns of endemism and adaptive radiation found in the flora are of outstanding value to science.
自然遺産 


文化遺産 29物件

アンドラ - Madriu-Perafita-Claror Valley(マドリュウ・ペラフィタ・クラロー渓谷)
The cultural landscape of Madriu-Claror-PerafitaValley offers a microcosmic perspective of the way people have harvested the resources of the high Pyrenees over millennia. Its dramatic glacial landscapes of craggy cliffs and glaciers, with high open pastures and steep wooded valleys covers an area of 4,247-ha., nine percent of the total area of the Principality. It reflects past changes in climate, economic fortune and social systems, as well as the persistence of pastoralism and a strong mountain culture, notably the survival of a communal land ownership system dating back to the 13th century. The valley, the last in the country to have no roads, features houses, notably summer settlements, terraced fields, stone tracks, and evidence of iron smelting.
文化遺産 文化的景観

オーストラリア - Royal Exhibition Building and Carlton Gardens(王立展示館カールトン庭園
The Royal Exhibition Building and its surrounding Carlton Gardens were designed for the great international exhibitions of 1880 and 1888 in Melbourne. The building and grounds were designed by Joseph Reed. The building is constructed of brick and timber, steel and slate. It combines elements from the Byzantine, Romanesque, Lombardic and Italian Renaissance styles. The property is typical of the international exhibition movement which saw over 50 exhibitions staged between 1851 and 1915 in venues including Paris, New York, Vienna, Calcutta, Kingston (Jamaica) and Santiago (Chile). All shared a common theme and aims: to chart material and moral progress through displays of industry from all nations.
文化遺産

中国 - Capital Cities and Tombs of the Ancient Koguryo Kingdom
古代高句麗王国の首都群と古墳群

The site includes archaeological remains of three cities and 40 tombs:
Wunu Mountain City, Guonei City and Wandu Mountain City, 14 tombs are imperial, 26 of nobles. All belong to the Koguryo culture, named after the dynasty that ruled over parts of northern China and the northern half of the Korean Peninsula from 277 BC to 668 AD. Wunu Mountain City is only partly excavated. Guonei City, within the modern city of Ji’an, played the role of a supporting capital after the main Koguryo capital moved to Pyongyang. Wandu Mountain City, one of the capitals of the Koguryo Kingdom, contains many vestiges including a large palace and 37 tombs. Some of the tombs show great ingenuity in their elaborate ceilings, designed to roof wide spaces without columns and carry the heavy load of a stone or earth tumulus (mound), which was placed above them.
文化遺産

北朝鮮 - Complex of Koguryo Tombs(高句麗古墳群)
The property includes several groups and individual tombs - totalling about 30 individual tombs - from the later period of the Koguryo Kingdom. The tombs, many with beautiful wall paintings, are almost the only remains of this culture. Only about 90 out of more than 10,000 Koguryo tombs discovered in China and Korea so far, have wall paintings. Almost half of these tombs are located on this site and they are thought to have been made for the burial of kings, members of the royal family and the aristocracy. These paintings offer a unique testimony to daily life of this period.
文化遺産

インド - Champaner-Pavagadh Archaeological Park(チャンパネル・パヴァガドゥ考古学公園)
A concentration of largely unexcavated archaeological, historic and living cultural heritage properties cradled in an impressive landscape which includes prehistoric (chalcolithic) sites, a hill fortress of an early Hindu capital, and remains of the 16th century capital of the state of Gujarat. The site also includes, among other vestiges, fortifications, palaces, religious buildings, residential precincts, and water installations, from the 8th to the 14th centuries. The Kalikamata Temple on top of the Pavagadh Hill is considered to be an important shrine, attracting large numbers of pilgrims throughout the year. The site is the only complete and unchanged Islamic pre-Mughal city.
文化遺産

インド - Chhatrapati Shivaji Terminus<formerly Victoria Terminus>
(チャトラパティ・シヴァジ・ターミナス駅<旧ヴィクトリア・ターミナス駅>

The Chhatrapati Shivaji Terminus, formerly known as Victoria Terminus Station, in Mumbai, is an outstanding example of Victorian Gothic Revival architecture in India, blended with themes deriving from Indian traditional architecture. The building, designed by the British architect F.W. Stevens, became the symbol of Bombay as the ‘Gothic City’ and the major international mercantile port of India. The terminal was built over ten years starting in 1878 according to a High Victorian Gothic design based on late medieval Italian models. Its remarkable stone dome, turrets, pointed arches, and eccentric ground plan are close to traditional Indian palace architecture. It is an outstanding example of the meeting of two cultures as British architects worked with Indian craftsmen to include Indian architectural tradition and idioms forging a new style unique to Bombay.
文化遺産

イラン - Pasargadae(パサルガディ)
The first dynastic capital of the Achaemenid Empire, founded by Cyrus II, the Great, in Pars, homeland of the Persians, in the 6th century BC. Its palaces, gardens, and the mausoleum of Cyrus are outstanding examples of the first phase of royal Achaemenid art and architecture and exceptional testimonies of Persian civilization. Particularly noteworthy vestiges in the 160-ha site include: the Mausoleum of Cyrus II; Tall-e Takht, a fortified terrace; and a royal ensemble of gatehouse, audience hall, residential palace, and gardens. Pasaragadae was the capital of the first great multicultural empire in Western Asia. Spanning the Eastern Mediterranean and Egypt to the Hindus River, it is considered to be the first empire that respected the cultural diversity of its different peoples. This was reflected in Achaemenid architecture, a synthetic representation of different cultures.
文化遺産

日本 - Sacred Sites and Pilgrimage Routes in the Kii Mountain Range
(紀伊山地の霊場と参詣道)

Set in the dense forests of the Kii Mountains overlooking the Pacific Ocean, three sacred sites - Yoshino and Omine, Kumano Sanzan, and Koyasan - linked by pilgrimage routes to the ancient capital cities of Nara and Kyoto, reflect the fusion of Shinto, rooted in the ancient tradition of nature worship in Japan, and Buddhism, which was introduced to Japan from China and the Korean peninsula. The sites (495.3-ha) and their surrounding forest landscape reflect a persistent and extraordinarily well-documented tradition of sacred mountains over 1,200 years. The area, with its abundance of streams, rivers and waterfalls, is still part of the living culture of Japan and is much visited for ritual purposes and hiking, with up to 15 million visitors annually. Each of the three sites contains shrines, some of which were founded as early as the 9th century.
文化遺産 文化的景観

ヨルダン - Um er-Rasas <Kastrom Mefa’a(ウム・エル・ラサス <カストロン・メファー>)
Most of this archaeological site, which started as a Roman military camp and grew to become a town as of the 5th century, has not been excavated. It contains remains from the Roman, Byzantine and Early Moslem periods (end of 3rd to 9th century AD) and a fortified Roman military camp, ca 150-m by 150-m. The site also has 16 churches, some with well-preserved mosaic floors. Particularly noteworthy is the mosaic floor of the Church of Saint Stephen with its representation of towns in the region. Two square towers are probably the only remains of the practice, well known in this part of the world, of the stylite monks (i.e. ascetic monks who spent time in isolation atop a column or tower). Um er-Rasas is surrounded by, and dotted with, remains of ancient agricultural cultivation in an arid area. It is here that the Prophet Mohamed, travelling as a tradesman, met a monk who convinced him of the virtue of monotheism.
文化遺産

カザフスタン - Petroglyphs within the Archaeological Landscape of Tamgaly
(タムガリの考古学的景観とペトログラフ)

Set around the lush Tamgaly Gorge, amidst the vast, arid Chu-Ili mountains, is a remarkable concentration of some 5,000 petroglyphs (rock carvings) dating from the second half of the second millennium BC to the beginning of the 20th century. Distributed among 48 complexes with associated settlements and burial grounds, they are testimonies to the husbandry, social organization and rituals of pastoral peoples. Human settlements in the site are often multi-layered and show occupation through the ages. A huge number of ancient tombs are also to be found including stone enclosures with boxes and cists (middle and late Bronze Age), and mounds (kurgans) of stone and earth (early Iron Age to the present). The central canyon contains the densest concentration of engravings and what are believed to be altars, suggesting that these places were used for sacrificial offerings.
文化遺産 文化的景観

モンゴル - Orkhon Valley Cultural Landscape(オルホン渓谷の文化的景観)
The 121,967-ha Orkhon Valley Cultural Landscape encompasses an extensive area of pastureland on both banks of the Orkhon River and includes numerous archaeological remains dating back to the 6th century. The site also includes Kharkhorum, the 13th and 14th century capital of Chinggis (Genghis) Khan’s vast Empire. Collectively the remains in the site reflect the symbiotic links between nomadic, pastoral societies and their administrative and religious centres, and the importance of the Orkhon valley in the history of central Asia. The grassland is still grazed by Mongolian nomadic pastoralists.
文化遺産  文化的景観

ノルウェー - Vegaoyan - the Vega Archipelagoヴェガオヤン−ヴェガ群島
A cluster of dozens of islands centred on Vega, just south of the Arctic Circle, forms a cultural landscape of 103,710-ha, of which 6,930 is land. The islands bear testimony to a distinctive frugal way of life based on fishing and the harvesting of the down of eider ducks, in an inhospitable environment. There are fishing villages, quays, warehouses, eider houses (built for eider ducks to nest in), farming landscapes, lighthouses and beacons. There is evidence of human settlement from the Stone Age on. By the 9th century, the islands had become an important centre for the supply of down which appears to have accounted for around a third of the islanders’ income. The Vega Archipelago reflects the way fishermen/farmers have, over the past 1,500 years, maintained a sustainable living and the contribution of women to eiderdown harvesting.
文化遺産 文化的景観

ロシア連邦 - Ensemble of the Novodevichy Convent(ノボディチ修道院の建築物群)
The Novodevichy Convent, in south-western Moscow, built in the 16th and 17th centuries, in the so-called Moscow Baroque style, was part of a chain of monastic ensembles that were integrated into the defence system of the city. The Convent was directly associated with the political, cultural and religious history of Russia, and closely linked to the Moscow Kremlin. It was used by women of the Tsar’s family and of the aristocracy. Members of the Tsar’s family and entourage were also buried in its cemetery. The Convent provides an example of the highest accomplishments of Russian architecture with rich interiors and an important collection of paintings and artefacts.
文化遺産

マリ - Tomb of Askia(アスキアの墓)
The dramatic 17-m pyramidal structure of Le Tombeau des Askia was built by Askia Mohamed, the Emperor of Songhai, in 1495 in his capital Gao. It bears testimony to the power and riches of the Empire that flourished in the 15th and 16th centuries through its control of the trans Saharan trade, notably in salt and gold. It is also a fine example of the monumental mud-building traditions of the West African Sahel. The complex, including the pyramidal tomb, two flat roofed mosque buildings, the mosque cemetery, and the open air assembly ground, was built when Gao became the capital of the Songhai Empire and after Askia Mohamed had returned from Mecca and made Islam the official religion of the Empire.
文化遺産

モロッコ - Portuguese City of Mazagan <El Jadida>
マサガンアル ジャディーダ)のポルトガル街区)

The Portuguese fortification of Mazagan, now part of the city of El Jadida, 90km southwest of Casablanca, was built as a fortified colony on the Atlantic coast in the early 16th century. It was taken over by the Moroccans in 1769. The fortification with its bastions and ramparts is an early example of Renaissance military design. The surviving Portuguese buildings include the cistern and the Church of the Assumption, built in the Manueline style of late Gothic architecture. The Portuguese City of Mazagan - one of the early settlements of the Portuguese explorers in West Africa on the route to India - is an outstanding example of the interchange of influences between European and Moroccan cultures, well reflected in architecture, technology, and town planning.
文化遺産

トーゴ Koutammakou, the Land of the Batammaribaバタムマリバ族の地 コウタマコウ
The Koutammakou landscape in northeastern Togo, which extends into neighbouring Benin, is home to the Batammariba whose remarkable mud tower-houses have come to be seen as a symbol of Togo. In this landscape, nature is strongly associated with the rituals and beliefs of society. The 50,000-ha cultural landscape is remarkable due to the architecture of its Takienta tower-houses which are a reflection of social structure; its farmland and forest; and the associations between people and landscape. Many of the buildings are two stories high and those with granaries feature an almost spherical form above a cylindrical base. Some of the buildings have flat roofs, others have conical thatched roofs. They are grouped in villages, which also include ceremonial spaces, springs, rocks and sites reserved for initiation ceremonies.
文化遺産  文化的景観

ドイツ - Dresden Elbe Valley(ドレスデンのエルベ渓谷)
The 18th and 19th century cultural landscape of Dresden Elbe Valley extends some 18-km along the river from Ubigau Palace and Ostragehege fields in the northwest to the Pillnitz Palace and the Elbe River Island in the southeast. It features low meadows, and is crowned by the Pillnitz Palace and the centre of Dresden with its numerous monuments and parks from the 16th to the 20th centuries. The landscape also features 19th and 20th century suburban villas and gardens and valuable natural features. Some terraced slopes along the river are still used for viticulture and some old villages have retained their historic structure and elements from the industrial revolution: notably the 147-m Blue Wonder steel bridge (1891-1893), the single-rail suspension cable railway (1898-1901), and the funicular (1894-1895). The passenger steamships (the oldest from 1879) and shipyard (ca 1900) are still in use.
文化遺産 文化的景観

ドイツ - The Town Hall and Roland on the Marketplace of Bremen
(ブレーメンのマルクト広場にある市庁舎とローランド像)

The Town Hall and Roland on the marketplace of Bremen in northwest Germany are outstanding representations of civic and trading rights as they developed in the Holy Roman Empire in Europe. The old town hall was built as in the Gothic style in the early 15th century, after Bremen joined the Hanseatic League. The building was renovated in the so-called Weser Renaissance style in the early 17th century. A new town hall was built next to the old one in the early 20th century as part of an ensemble that survived the bombarding during the Second World War. The statue stands 5.5m tall and dates back to 1404.
文化遺産

ドイツ/ポーランド - Muskauer Park/Park Muzakowskiムスカウ公園 / ムザコフスキー公園
A landscaped park of 559.90-ha astride the Neisse river and the border between Poland and Germany, it was created by Prince Hermann von Puckler-Muskau from 1815 to 1844. Blending seamlessly with the surrounding farmed landscape, the park pioneered new approaches to landscape design and influenced the development of landscape architecture in Europe and America. Designed as a ‘painting with plants’, it did not seek to evoke classical landscapes, paradise, or some lost perfection, instead it used local plants to enhance the inherent qualities of the existing landscape. This integrated landscape extends into the town of Muskau with green passages that formed urban parks framing areas for development. The town thus became a design component in a utopian landscape. The site also features a reconstructed castle, bridges and an arboretum.
文化遺産  文化的景観

アイスランド - Tingvellir National Parkシンクヴェトリル国立公園
Tingvellir (Thingvellir) is the National Park where the Althing - an open-air assembly, which represented the whole of Iceland - was established in 930 and continued to meet until 1798. Over two weeks a year, the assembly set laws - seen as a covenant between free men - and settled disputes. The Althing has deep historical and symbolic associations for the people of Iceland. Located on an active volcanic site, the property includes the Tingvellir National Park and the remains of the Althing itself: fragments of around 50 booths built of turf and stone. Remains from the 10th century are thought to be buried underground. The site also includes remains of agricultural use from 18th and 19th centuries, the Thingvellir Church and adjacent farm, and the population of arctic char in Lake Thingvallavatn. The park shows evidence of the way the landscape was husbanded over 1,000 years.
文化遺産 文化的景観

イタリア - Etruscan Necropolises of Cerveteri and Tarquinia
(チェルヴェテリとタルクィニアのエトルリア墳墓群)

These two large Etruscan cemeteries reflect different types of burial practices from the 9th to the 1st century BC, and bear witness to the achievements of Etruscan culture. They are the first remains of Etruscan culture, which over nine centuries developed the earliest urban civilization in the northern Mediterranean, to be inscribed on the World Heritage List. Some of the tombs are monumental, cut in rock and topped by impressive tumuli (burial mounds). Many feature carvings on their walls, others have wall paintings of outstanding quality. The necropolis near Cerveteri, known as Banditaccia, contains thousands of tombs organized in a city-like plan, with streets, small squares and neighbourhoods. The site contains very different types of tombs: trenches cut in rock; tumuli; and some, also carved in rock, in the shape of huts or houses with a wealth of structural details. These provide the only surviving evidence of Etruscan residential architecture. The necropolis of Tarquinia, also known as Monterozzi, contains 6,000 graves cut in the rock. It is famous for its 200 painted tombs, the earliest of which date from the 7th century B.C.
文化遺産

イタリア - Val d’Orcia(オルチャ渓谷)(注)ヴァルドルチャ
is part of the agricultural hinterland of Sienna, re-drawn and developed when it was colonized by the city-state in the 14th and 15th centuries to reflect an idealized model of good governance and to create an aesthetically pleasing picture. The landscape’s distinctive aesthetics, flat chalk plains out of which rise almost conical hills with fortified settlements on top, inspired many artists. Their images have come to exemplify the beauty of well-managed Renaissance agricultural landscapes. The inscription covers: a planned colonized agrarian and pastoral landscape reflecting innovative land management systems; towns and villages; farmhouses; and the Roman Via Francigena and its associated abbeys, inns, shrines, bridges etc.
文化遺産  文化的景観

リトアニア - Kernave Archeological Site <Cultural Reserve of Kernave
(ケルナヴェ考古学遺跡 <ケルナヴェ文化保護区>)

The Kernave Archeological Site, in eastern Lithuania about 35 km northwest of Vilnius, represents an exceptional testimony to some 10 millennia of human settlements in this region. Situated in the valley of the River Neris, the site is a complex ensemble of archaeological properties, encompassing the town of Kernave, forts, some unfortified settlements, burial sites and other archaeological monuments from the late Paleolithic period to the Middle Ages. The site has preserved the traces of ancient land use, as well as remains of five impressive hill forts, part of an exceptionally large defence system.
Kernav? was an important feudal town in the Middle Ages. The town was destroyed by the Teutonic Order in the late 14th century, however the site remained in use till modern times.
文化遺産  文化的景観

メキシコ - Luis Barragan House and Studio(ルイス・バラガン邸と仕事場)
Built in 1948, the House and Studio of architect Luis Barragan in the suburb of Mexico City represents an outstanding example of the architect’s creative work in the post-Second World War period. The concrete building, totalling 1161-m2, consists of a ground floor and two upper stories, as well as a small private garden. Barragan’s work integrated modern and traditional artistic and vernacular currents and elements into a new synthesis, which has been greatly influential, especially in the contemporary design of gardens, plazas, and landscapes.
文化遺産

ポルトガル - Landscape of the Pico Island Vineyard Culture(ピコ島の葡萄園文化の景観)
The 987-ha site on the volcanic island of Pico, the second largest in Azores archipelago, consists of a remarkable pattern of spaced-out, long linear walls running inland from, and parallel to, the rocky shore. The walls were built to protect the thousands of small, contiguous, rectangular, plots (‘currais’) from wind and salt sea water . Evidence of this viniculture, whose origins date back to the 15th century is manifest in the extraordinary assembly of the fields, in houses and early 19th century manor houses, in wine-cellars, churches and ports. The extraordinarily beautiful man-made landscape of the site is the best remaining area of a once much more widespread practice.
文化遺産  文化的景観

セルビア・モンテネグロ - Decani Monastery(デチャニ修道院)
The De?ani Monastery - at the foot of the Prokletije mountains, in the western part of the province of Kosovo and Metohija - was built in the mid 14th century for the Serbian King Stefan De?anski. It is also his mausoleum. It represents the last important phase of Byzantine-Romanesque architecture in the region and is the largest of all medieval Balkan churches. It contains exceptional, well-preserved Byzantine paintings, which cover practically the entire interior of the church with over 1,000 individual depictions of saints. It also has numerous Romanesque sculptures. The original marble floor is preserved, as is the interior furniture, and the main 14th century iconostasis. The De?ani treasury is the richest in Serbia, with, notably, about 60 exceptional icons from the 14th to 17th centuries. The Monastery represents an exceptional synthesis of Byzantine and Western traditions.
文化遺産

スウェーデン - Varberg Radio Station(ヴァルベルイの無線通信所)
The Varberg Radio Station at Grimeton in southern Sweden (built in 1922-24) is an exceptionally well preserved monument to early wireless transatlantic communication. It consists of the transmitter equipment, including the aerial system of six 127-m high steel towers. Though no longer in regular use, the equipment has been maintained in operating condition. The 109.9-ha site comprises buildings housing the original Alexanderson transmitter, including the towers with their antennae, short-wave transmitters with their antennae, and a residential area with staff housing. The architect Carl Akerblad designed the main buildings in the neoclassical style and the structural engineer Henrik Kreuger was responsible for the antenna towers, the tallest built structures in Sweden at that time. The site is an outstanding example of the development of telecommunications and is the only surviving example of a major transmitting station based on pre-electronic technology.
文化遺産

イギリス - Liverpool-Maritime Mercantile City(リバプール-海商都市)
Six areas in the historic centre and docklands of the maritime mercantile City of Liverpool bear witness to the development of one of the world’s major trading centres in the 18th and 19th centuries. Liverpool played an important role in the growth of the British Empire and became the major port for the mass movement of people, e.g. slaves and emigrants from northern Europe to America. Liverpool was a pioneer in the development of modern dock technology, transport systems, and port management. The listed sites feature a great number of significant commercial, civic and public buildings, including St George’s Plateau.
文化遺産

イラン-Bam Cultural Landscape(バムの文化的景観)
Bam is situated in a desert environment on the southern edge of the Iranian high plateau. The origins of Bam can be detected to the Achaemenid period (6 th to 4 th cent. B.C.). Its heyday was from the 7 th to 11 th centuries, being at the crossroads of important trade routes and known for the production of silk and cotton garments. The existence of life in the oasis was based on the underground irrigation canals, the qan ? ts, of which Bam has preserved some of the earliest evidence in Iran. Arg-e Bam is the most representative example of a fortified medieval town built in vernacular technique using mud layers (Chineh).
文化遺産  文化的景観


複合遺産
 該当なし





 バーレンのHawar Islands「ハワル諸島」(自然遺産候補)
、キプロスのWine Village Terraces「ワイン村の棚畑」(文化遺産候補)、ハンガリーのPalaeohabitat of Tarnoc「タルノックの古生物地」(自然遺産候補)、エストニアのKuressaare Fortress「クレッサーレ要塞」(文化遺産候補)、アゼルバイジャンのGobustan Rock Art Cultural Landscape「ゴブスタン岩画の文化的景観」(文化遺産候補)、パナマのCoiba National Park「コイバ国立公園」(自然遺産候補)については、登録要件を満たしていない為、見送られました。




【既登録物件のうち登録範囲の延長・拡大 6物件】

自然遺産 3物件

イギリス - St Kilda(セント・キルダ) (first inscribed as a natural site in 1986)
a volcanic archipelago with spectacular landscapes, is situated off the coast of the Hebrides and comprises the islands of Hirta, Dun, Soay and Boreray. It has some of the highest cliffs in Europe, inhabited by large colonies of rare and endangered species of birds, especially puffins and gannets. The marine area around the archipelago was extended, almost doubling the size of the site.

イギリス - The 14km2 Inaccessible Island was added to the Gough Island Wildlife Reserve(ゴフ島野生生物保護区) ,in the South Atlantic, first inscribed in 1995. The site, now called Gough and Inaccessible Islands(ゴフ島とイナクセサブル島) , is one of the least-disrupted island and marine ecosystems in the cool temperate zone. The spectacular cliffs of each island, towering above the ocean, are free of introduced mammals and homes to one of the world's largest colonies of sea birds. Gough Island is home to two endemic species of land birds, the gallinule and the Gough rowettie, as well as to 12 endemic species of plants, while Inaccessible Island boasts of two birds, eight plants and at least ten invertebrates endemic to the island.

コスタ・リカ - Area de Conservacion Guanacaste(グアナカステ保全地域) (inscribed in 1999),
was extended with the addition of a 15,000-ha private property, St Elena. It contains important natural habitats for the conservation of biological diversity, including the best dry forest habitats from Central America to northern Mexico and key habitats for endangered or rare plant and animal species. The site demonstrates significant ecological processes in both its terrestrial and marine-coastal environments.


文化遺産 3物件


中国 - Imperial Palace of the Qing Dynasty in
Shenyang(遼寧省瀋陽) has been inscribed as an extension of the Imperial Palace of the Ming and Qing Dynasties inscribed in 1987. The property is now to be known as the Imperial Palaces of the Ming and Qing Dynasties in Beijing and Shenyang(北京と瀋陽の明・清王朝の皇宮). The Imperial Palace of the Qing Dynasty in Shenyang consists of 114 buildings, constructed between 1625-26 and 1783. It contains an important library and testifies to the foundation of the last dynasty that ruled China, before it expanded its power to the centre of the country and moved the capital to Beijing. This palace then became auxiliary to the Imperial Palace in Beijing. This remarkable architectural edifice offers important historical testimony to the history of the Qing Dynasty and to the cultural traditions of the Manchu and other tribes in the north of China.

中国 - Imperial Tombs of the Ming and Qing Dynasties(明・清皇室の陵墓群), represents the addition of three Imperial Tombs of the Qing Dynasty in Liaoning to the Ming tombs inscribed in 2000 and 2003. The Three Imperial Tombs of the Qing Dynasty in
Liaoning Province(遼寧省) include the Yongling Tomb, the Fuling Tomb, and the Zhaoling Tomb, all built in the 17th century. Constructed for the founding emperors of the Qing Dynasty and their ancestors, the tombs follow the precepts of traditional Chinese geomancy and fengshui theory. They feature rich decoration of stone statues and carvings and tiles with dragon motifs, illustrating the development of the funerary architecture of the Qing Dynasty. The three tomb complexes, and their numerous edifices, combine traditions inherited from previous dynasties and new features of Manchu civilization.

インド - Two great Chola Temples of the 11th and 12th centuries have been added to the 11th century Brihadisvara temple of Thanjavur(タンジャブールのブリハディシュワラ寺院), inscribed in 1987. The Great Living Chola Temples (チョーラ朝の現存する大寺院群)were built by kings of the Chola Empire, which stretched over all of South India and the neighbouring islands. The site now includes the three great 11th and 12th century Chola Temples: the Brihadisvara temple of Thanjavur, the Brihadisvara Temple of Gangaikondacholisvaram and the Airavatesvara temple at Darasuram. The Temple of Gangaikondacholisvaram, built by Rajendra I, was completed in 1035. Its 53-m vimana has recessed corners and a graceful upward curving movement, contrasting with the straight and severe tower at Thanjavur. It has six pairs of massive, monolithic dvarapalas statues guarding the entrances and bronzes of remarkable beauty inside. The Airavatesvara temple complex, built by Rajaraja II, at Darasuram features a 24-m vimana and a stone image of Shiva. The temples testify to the Cholas brilliant achievements in architecture, sculpture, painting, and bronze casting.


【既登録物件名称変更 1物件】

カナダ Miguasha Parkミグアシャ公園) ⇒ Miguasha National Parkミグアシャ国立公園) 


【改善措置が講じられた為,「危機にさらされている世界遺産リスト」から登録解除された物件 3物件】

カンボジア Angkor(アンコール 危機遺産リストに登録されていた理由:浸食、風化、盗掘)
オマーン Bahla Fort (バフラ城塞 崩壊、風化)

ウガンダ Rwenzori Mountains National Park(ルウェンゾリ山地国立公園 地域紛争)


【「危機にさらされている世界遺産リスト」への新登録物件 物件】

イラン Bam Cultural Landscape(バムの文化的景観)
The rich archaeological remains of the Iranian city of Bam, where 26,000 lost their lives in the earthquake of December 26, 2003, was inscribed on UNESCO’s World Heritage List, alongside 12 other new cultural sites listed today by the World Heritage Committee holding its 28th session in Suzhou. This brings to 788 the number of cultural, natural and mixed sites now on the List. Bam Cultural Landscape was inscribed both on the World Heritage List and on the List of World Heritage in Danger. Assistant UNESCO Director-General for Culture, Mounir Bouchenaki, expressed the commitment of UNESCO Director-General Koichiro Matsuura to continue efforts to salvage the cultural heritage of this devastated city.

Experts from ICOMOS, the International Council on Monuments and Sites, who presented the Bam Cultural Landscape to the Committee, argued that the rich archaeological remains of Bam had been spared by the earthquake which mainly hit the new city and destroyed reconstructions in the historic town as well as the top section of the ancient city walls.

ドイツ Cathedral of Cologne (ケルン大聖堂)
The Committee sounded the alarm for the integrity of the urban landscape around the Cathedral after hearing of the construction of several high-rise buildings on the bank of the Rhine River opposite the Cathedral, which was inscribed on the World Heritage List in 1996. The integrity of the Cathedral, built between 1248 and 1880, is not endangered by the new constructions, said Birgitte Ringbeck, from the German observer-delegation at the meeting. However, she recognized that the new construction might have a harmful visual impact on the World Heritage property. “The Cologne Cathedral and its urban landscape are the city’s only outstanding cultural heritage elements to have survived World War Two,” said Francesco Bandarin, the Director of UNESCO’s World Heritage Centre. “I sincerely hope that Cologne will not lose an important component of its historical legacy,” he added.

タンザニア Ruins of Kilwani and Ruins of Songo Mnara
(キルワ・キシワーニとソンゴ・ムナラの遺跡)

The Committee took this decision in response to threats to the integrity of the site, which was inscribed on the World Heritage List in 1981. The ruins, which date from the 13th to the 16th century and testify to the ports’ position as a hub of Indian Ocean trade in gold, silver, pearls, perfumes, Arabian crockery, Persian earthenware and Chinese porcelain, are particularly affected by sea erosion, lack of maintenance that is leading to the collapse of buildings, inadequate management and demographic pressure.As the Committee decided to inscribe the property on the List of World Heritage in Danger, Portugal offered to provide the United Republic of Tanzania with assistance in preserving the site.


 また、代表的で偏りがなく信頼のおける「世界遺産リスト」である為の「グローバル・ストラテジー」(地球戦略)、第24回世界遺産委員会ケアンズ会議で採択された新登録物件の数を原則1締約国1物件(世界遺産がまだない締約国については3物件まで),上限を暫定的に30物件(注)と設定した,いわゆる「ケアンズ・デシジョン」、世界遺産地を保護管理する為の各国の努力、国際援助・協力のあり方などについても話し合われ、第32回ユネスコ総会で承認された2004−2005年の事業計画と予算、地球規模の人材養成戦略、世界遺産保護の為のパートナーシップに関する進捗状況、世界遺産エンブレムの使用に関する報告などがありました。
(注)第27回世界遺産委員会パリ会議で、40物件に設定が変更されています。

 なかでも、「ケアンズ・デシジョン」の内容は、別途、ワーキング・グループを設け検討した結果、昨年のパリ会議に続いて修正が加えられました。「ケアンズ・デシジョン」では、既に世界遺産を有する国の新規推薦物件数は1物件までとされていましたたが、世界遺産の保護を目指す「蘇州デシジョン」のなかで、少なくとも1つの自然遺産関係の推薦物件がある場合には、2物件までが可能となりました。また、推薦物件数の上限も変更され45物件(以前の世界遺産委員会で見送りになった物件、登録範囲の拡大物件、国境をまたぐ物件、緊急登録物件)に設定されました。


 第28回世界遺産委員会では、下記の公式行事、エクスカーション、イベントが施行されました。  


<公式行事スケジュール>

 6月28日 開催式
 6月28日〜7月7日 第28回世界遺産委員会
 7月3日 休会
 7月6日 パートナーシップ・プレゼンテーション
 7月7日 報告書の採択

 6月28日 中国政府主催の歓迎宴会
 7月2日 江蘇省主催の宴会・演芸
 7月5日 蘇州市主催の宴会・演芸
 7月6日 ユネスコ世界遺産センター主催のカクテル・パーティー

<エクスカーション>

 6月29日(夕方)  盤門地域、運河
 7月3日 午前: 蘇州市内観光(虎丘、拙政園、環秀山荘等)
      午後: 周庄 (水郷都市)
 7月7日 午前: 同里 (水郷都市)

<イベント>

 6月1日〜6月25日 世界遺産展プレ展示
 6月26日〜7月15日 世界遺産展
 7月7日 世界遺産記念壁(World Heritage Walls) 完成式(金鶏湖の東、蘇州工業園区にある。記念壁と周囲の景観を含めた敷地面積は約1.7ha、この壁には、現在、世界遺産として登録されている中国の29物件32か所の名勝旧跡の彫刻作品が嵌められています)


 世界遺産が決まるまでの仕組みや世界遺産への理解を一層深める為、昨年のパリ会議に続いて、当シンクタンクの代表者 古田 陽久と事務局長の古田 真美もオブザーバーの一員として参加致しました。いつものことながら、登録候補物件の評価の手法、世界遺産への脅威、なかでも、その原因や理由には、大変、関心をもっています。世界遺産になった物件の顕著な普遍的価値、なかでも、その真正性(Authenticity)や完全性(Integrity)の証明、それに、類似物件との比較研究(Comparative Study)の手法について、一歩踏み込んだ研究を続けていきたいと考えています。

 6月28日の中国政府主催の歓迎宴会では、胡錦涛・国家主席の出席の噂もありましたが実現しませんでした。休会時に暫定リストにも記載されている水郷の町の周庄(昆山市)や同里(呉江市)を訪問しましたが、予想以上に観光化が進んでいること、また、水郷の汚染も目につき、少々がっかりしたのが正直な気持ちです。

 歴史的な町並み保存とは、言葉はきれいですが、周辺部が余りに整備されすぎ、逆に、保存地区は、昔のままの状態で保存されているというより、隔離された観光地に化している印象も受けました。また、観光公害のことが云々され、訪問者のマナーが兎角問題視されますが、逆に、受入側の観光関連業者(呼び込みなど)のマナーの管理についても考えていかなければならないと思いました。

 中国を訪問したのは、今回で5回目ですが、いつも、その発展ぶりには驚きます。世界遺産に関しても、その歴史と国土面積から判断して、そのうちに、その数が世界一(現在、世界で第3位(注)、アジア・太平洋では、ナンバー・ワン)になるものと期待しています。
(注)@イタリア 39 Aスペイン 38 B中国 30 Bドイツ 30 Dフランス 28 Eイギリス 26 Eインド 26 Gメキシコ 24Hロシア連邦 21 Iアメリカ 20 Jブラジル 17 Kオーストラリア 16 Kギリシャ 16 Mカナダ 13 Mポルトガル 13 Mスウェーデン 13 P日本 12 Pチェコ 12 Pポーランド 12

 今回新登録された、遼寧省桓仁市と吉林省集安市にある古代高句麗王国の首都群と古墳群、登録範囲の延長・拡大が行われた遼寧省の瀋陽故宮、それに、遼寧省瀋陽にある盛京三陵(昭陵、福陵、永陵)がいずれも、これまで世界遺産がなかった東北地方からのものであること、また、2005年の候補物件は、澳門(マカオ)特別行政区にある歴史的建造物群(媽閣廟、港務局大楼、鄭家大屋、聖ヨセフ修道院及び聖堂、ドン・ペドロ5世劇場、民政総署大楼、仁慈堂、旧城壁、大三巴ナーチャ廟、聖ポール天主堂跡、モンテの砦、ギア要塞の12物件が対象) と、中国の懐の深さと地域的に偏りが出ない戦略の一端を垣間見ることができます。いずれ、台湾のことも懸案になることでしょう。

 また、2006年以降も、河南省安陽市の殷墟、雲南省紅河の畔に住む少数民族のハニ族の棚田、広東省開平市の望楼、福建省の土楼などの暫定リスト記載物件が目白押しであり、順次、ノミネートされていくと思います。

 今回初めて訪問した周庄同里に関して、雑誌やパンフレット、映像で紹介されているものとどの程度イメージに開きがあるのかを意識的に診断してみましたが、かなりのギャップがあることを認識しました。五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)が揺さぶられる様な感動や感銘を求めての旅ですが、本や映像だけでは、伝わって来ない感覚があるのも事実です。

 本や映像だけだと良いところばかりに話題や焦点が集まるだけに悪いところが見えて来ません。ましてや、空の色などの色彩、空気、風、賑わい、掛け声、匂いなど視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の感覚は、伝わって来ません。やはり、現場を踏む、行って自分の眼で確かめて見ることが一番重要であることを改めて再認識しました。

 今回の世界遺産委員会の会場の2階で催された世界遺産展では、全世界の754の世界遺産の写真や映像を楽しむことが出来ました。なかでも、中国の世界遺産については、29の世界遺産だけではなく、今後、登録予定の暫定リスト記載物件の写真も紹介されており、大変、興味深いものでした。

 また、ユネスコの「人類の口承及び無形遺産の傑作宣言」で選定されている中国の「昆劇」と「古琴音楽」にも出会えました。前者の発祥の地は、蘇州からも近い昆山市であり、テレビ番組で、長時間にわたって楽しむことが出来ました。後者は、世界遺産委員会が開催された会場近くで、アトラクションの一つとして演奏されており、古琴演奏教学の姚亮さんとも知り合いになることが出来ました。

 国際会議の楽しみの一つに、世界中の多様な人々との出会いがあります。普通、会えない人、また、偶然の出会いもあります。今回も色々な方々との出会いがありました。なかでも、今回は、会議の合間や食事時に、知り合ったメディア関係の人々との語らいが印象的でした。新華社の中国人記者、毎日新聞社と産経新聞社の中国総局(北京)の日本人の記者と特派員、日本からの朝鮮新報の記者の方々等、ニュースを追う眼と行動力には感心致しました。

 最後に、この世界遺産委員会に出席して感じたことを、幾つか挙げてみたいと、思います。

 第一は、「世界遺産とは何か?」、その原点にかえって、世界遺産条約の目的や意義について、条約の原文をあらためて読み返してみたいと思います。

 第二は、昨年は、SARSが原因で、会場が急遽パリに変更になり、蘇州での世界遺産委員会の開催は2年がかりとなりました。それまでの準備に時間やお金も大変だったと思いますが、アジアの都市での6年ぶりの開催は、大変意義深いものがあったように思います。

 第三は、前述しましたが、中国は、いずれ、欧州勢を抜いて、世界一の「世界遺産大国」になると思います。中国で製作された世界遺産の写真集や映像を見ていても、年々、技術水準や質が格段に向上していることがわかります。急成長しているが故に様々な側面でアンバランスが生じていますが、これらの問題が解消されていけば、2010年代には、経済面(注)と文化面の両方において、名実共に世界のリーディング・カントリーになることでしょう。この国の課題は、世界一の人口を誇る反面、十数億人もいる国民の管理、すなわち、人の管理面にあるのではないかと思います。一方において、私たち日本人は、円元通貨交換差で、現在は、メリットを享受していますが、将来的に中国が通貨改革を行うことによる脅威も考えておかなければなりません。

(注)中国のGDPの規模は、アメリカ、日本、ドイツ、英国、フランス、イタリアに次いで、現在、第7位。

 第四は、今回の世界遺産委員会で、最も感慨深かったのは、北朝鮮初の世界遺産となった「高句麗古墳群」の登録でした。ユネスコの世界遺産の国際舞台では、既に国際関係は正常化していると思ったのは、私たちだけではないでしょう。この様な文化のことを契機に、北朝鮮と多くの国々との国交が正常化していくことを願っています。

 第五は、他の国際会議でも同じなのですが、委員国としての日本の発言が相対的に少ないことです。多くの日本政府関係者が出席しているにしては寂しい限りです。

 第六は、日本が委員国の任期のうちに、1998年の第22回世界遺産委員会京都会議に続いて、日本の都市での世界遺産委員会の開催を望むものです。(出来れば奈良市、広島市、姫路市、那覇市、日光市などの世界遺産都市での開催が望まれます)
 第七は、各国の暫定リスト記載物件の内容を見ていて感じることですが、5〜10年以内にというガイドラインにもかかわらず、数多くの物件をノミネートしていることです。日本の場合も、自然遺産と文化遺産の両方に言えることですが、「顕著な普遍的価値」を有する日本らしいユニークさと特質をもった多様な物件を20〜30厳選し、ノミネートしてもよいのではないかと思います。

 第八は、私たちの使命として、世界遺産を通じて、取り巻く問題点や課題を解決していく為の知恵を出していかなければならないことです。その前提条件として、世界の平和があってのものであり、異文化や違いを理解していく寛容な心と継続的な努力が必要であることを再認識しました。

 第九は、余談ですが、国、県、市町村の境界にまたがる登録遺産の保護管理のあるべき姿です。日本の場合においても、三重県、奈良県、和歌山県の29市町村にまたがる「紀伊山地の霊場と参詣道」、全国的に加速化する市町村の再編・合併の波は、いずれ、都道府県間の合併・再編、道州制へと発展していくでしょう。共通・共同の世界遺産を守るという視点からの行政の一体化を検討する意見があっても良いのではないかと思います。なかでも、奈良県は、世界遺産を3つ有する日本一の世界遺産地になりました。文字通りの文化首都であり、日本の文化行政を牽引する分都の役割を担える環境が整ってきているようにも思います。

 尚、会議の詳細については,世界遺産講座世界遺産勉強会・研究会世界遺産プラザなどで,ご紹介していきたいと考えています。

 来年の第29回世界遺産委員会は、2005年6月下旬〜7月上旬に、南アフリカダーバンで開催されます。ダーバンは、2003年9月にIUCN 第5回世界公園会議が開催された都市で、日本の「知床」の世界遺産リストへの登録可否も、この世界遺産委員会で審議される見込みです。私たちは、南アフリカにはまだ行ったことがなく、遠方ではありますが、来年の世界遺産委員会にも出席できる様に、これからの一年間も頑張りたいと考えています。

 尚、第28回世界遺産委員会での新登録物件を含めた最新のユネスコ世界遺産の一覧については、当シンクタンク発刊の「世界遺産データ・ブック−2005年版−」(2004年7月31日発刊)、新登録物件の概要については、「世界遺産ガイド−特集 第28回世界遺産委員会蘇州会議−(2004年8月31日発刊)、それに、刊行中の「世界遺産ガイド」シリーズの中で、適宜、紹介してまいります。


 古田への取材、新聞や雑誌などへのコラム投稿については、出来るだけご協力したいと思いますので、世界遺産総合研究所事務局まで、ご連絡下さい。





<<< 本件に関する問い合わせ <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<

  世界遺産総合研究所 事務局
  The Sekaiisan Research Institute
  〒731-5113 広島市佐伯区美鈴が丘緑三丁目4番3号
  4-3, Misuzugaokamidori 3-chome, Saeki-ku, Hiroshima-city, Japan
  電話ファックス 082-926-2306
  電子メール wheritage@tiara.ocn.ne.jp        
  インターネットURL http://www.dango.ne.jp/sri/
  出版物のご案内 http://www.dango.ne.jp/sri/publicationguide.htm
  世界遺産情報館 http://www.dango.ne.jp/sri/whinformation.html

<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<



蘇州市のプロフィール


 蘇州市は、江蘇省の東部にあり、古くから「上有天堂、下有蘇杭」」(天上に極楽あり、地上に蘇州と杭州あり)と称えられた歴史文化都市です。

 蘇州は、上海の西約70km、太湖の東北にあり、気候は温暖で市内には、水郷が発達し、水の都としても知られています。13世紀に中国を訪れたマルコ・ポーロは、蘇州を「東洋のベニス」とたとえました。

 蘇州は、紀元前514年に、春秋時代の呉の都として発展して以来、歴史的にも政治的な中心地として栄え、清代には江蘇省の省都にもなった古都でもあります。

 その昔、中国の豪族たちはこの地で花鳥風月に囲まれ余生を送ることを理想としました。

 蘇州には名勝旧跡が多く、盤門、虎丘の斜塔、霊岩山、それに、ユネスコの世界遺産にも登録されている拙政園、留園、網師園、環秀山荘、獅子林、滄浪園、芸圃、退思園など中国式の古典庭園が数多くあります。

 また、寒山寺は、唐詩「楓橋夜泊」(張継作)にもうたわれ、高僧寒山にちなんで名付けられた寺としても名高いことは、よく知られています。

 蘇州の特産品としては、両面刺繍や白檀の扇子が有名です。

 蘇州は、近年、シンガポール蘇州工業園区(蘇州工業パーク)の開発等、多くの外国企業が進出し、活力ある経済発展を遂げています。

 蘇州の知名度は、日本でも高く、古くは、渡辺はま子や李香蘭が歌った「蘇州夜曲」、近年では、尾形大作が歌った「無錫旅情」がヒットし、題名や歌詞の中に地名が登場し、有名です。





江蘇省・蘇州市とわが国地方自治体との友好(姉妹)提携の状況
江蘇省 愛知県
江蘇省 福岡県
蘇州市 石川県金沢市
蘇州市 京都府亀岡市
蘇州市 大阪府池田市
蘇州市滄浪区 福岡県八女郡広川町
蘇州市五県 大分県日田郡大山町


世界遺産関係の参考文献
世界遺産データ・ブック−2005年版−
世界遺産マップス−2003改訂版−
世界遺産ガイド−世界遺産条約編−
世界遺産Q&A−世界遺産の基礎知識−
世界遺産事典−754全物件プロフィール−2003改訂版
世界遺産キーワード事典
世界遺産入門−過去から未来へのメッセージ−
世界遺産学入門−もっと知りたい世界遺産−
世界遺産ガイド−北東アジア編−
世界遺産ガイド−歴史都市編−
世界遺産ガイド−中国・韓国編−
世界遺産ガイド−自然景観編−
世界遺産ガイド−日本編−2.保存と活用
世界遺産ガイド−文化遺産編−4.文化的景観
誇れる郷土ガイド−近畿編−
誇れる郷土ガイド−全国47都道府県の誇れる景観編−
誇れる郷土ガイド−国際交流・協力編−
誇れる郷土ガイド−全国の世界遺産登録運動の動き−






世界遺産と総合学習の杜に戻る
シンクタンクせとうち総合研究機構のご案内に戻る
世界遺産総合研究所のご案内に戻る
出版物のご案内に戻る
出版物ご購入のご案内に戻る
世界遺産情報館に戻る