2016年の回顧と2017年の展望






  各 位

 

 2016年は、当シンクタンク、そして、世界遺産総合研究所にとって、これまで、パラレルに研究を進めてきたユネスコの「世界遺産」、「世界無形文化遺産」、「世界記憶遺産」を、「ユネスコ遺産」に総合化、統合化する試みに、一定の成果をあげられた年だと自己評価しています。この一年間の特記事項を下記します。

総じて、公私にわたり充実した一年でした。



<新聞・雑誌記事>

朝日新聞朝刊 世界遺産・絹の道 東へ続け 日韓「ルート延伸を」(201638日)
日本経済新聞朝刊 くらし「地元の世界遺産 小学生の「教材」に」
2016616日夕刊/17日朝刊)  

京都新聞朝刊「保全の難しさ 浮き彫り」(2016718日)  
岩手日報「保全の難しさ 顕在化」(2016718日)  
日刊宗谷「ちょっと暮らしで稚内満喫」(2016731日)
東京新聞朝刊 こちら特報部「問われる保全の覚悟」(201681日)  
稚内プレス「ちょっと暮らし5日まで下勇知で」(201682日)  
中国新聞朝刊「世界遺産の審査数削減 ユネスコ検討 年45件を25件に」(2016817日)
每日頭條「大咖來啦,「星光熠熠」的運河大會後天就開幕」(20161019日) 
中新网-中国新网、新浪首、香港新浪、壹讀「世遺專家為大運河保護支招:建設環保型遺旅遊」(20161022日)
每日頭條「世界遺與旅遊開發相矛盾嗎?」(20161022日)
読売新聞朝刊広島版 ニュース深新「世界遺産 高い海外人気」(2016128日)



<出版活動>

 紙媒体での出版は、企画、取材、編集、整理、組版、印刷、製本、流通、販売と読者に届くまでに、多くの手間と多くの方々のご協力がなければ成り立ちません。デジタル化の進行で、出版流通にも大きな変化が起こりつつあります。
 
 本が売れない時代になりました。パソコン、インターネット、携帯電話などの普及で、ニュースなど様々な情報を新聞や書籍を読まなくても調べることが出来る様になっているからです。


 本が売れない時代に一般受けしない本を小出版するのは大変勇気がいります。しかし、大学の教科書等で、毎年、採用してくださる先生方もおられます。これまで3度、<出典>として、大学や高校の入学試験問題に出題された作品もあり、一次情報としての正確さを期しています。

 2016年の出版実績は、10タイトル、通算207タイトル。

生涯目標の200タイトルを達成することができました。

 より良い作品を創造していく為には、玉石混淆ではあっても、より多くのものを自分自身の眼で見て、その違いをよく理解することが大切だと思います。


世界遺産ガイド-自然遺産編-2016改訂版 ISBN978-4-86200-198-6 (2016年3月)
世界遺産ガイド-文化遺産編-2016改訂版 ISBN978-4-86200-199-3 (2016年3月)
世界遺産ガイド-複合遺産編-2016改訂版 ISBN978-4-86200-200-6 (2016年3月) 
世界無形文化遺産データ・ブック-2016年版 ISBN978-4-86200-201-3 (2016年3月))
世界遺産ガイド-メキシコ編- ISBN978-4-86200-202-0 (2016年8月)
世界遺産ガイド-日本編-2017改訂版 ISBN978-4-86200-203-7 (2016年8月)
世界遺産データ・ブック-2017年版- ISBN978-4-86200-204-4 (2016年9月)
世界遺産事典-1052全物件プロフィール-2017改訂版 ISBN978-4-86200-205-1 (2016年9月)
世界遺産マップス-2017年版- ISBN978-4-86200-206-8 (2016年12月)
世界遺産ガイド-文化の道編- ISBN978-4-86200-207-5 (2016年12月)



<連載「世界記憶遺産の旅」>

 ユネスコの世界記憶遺産に登録されている世界記録遺産を紹介する連載「世界記憶遺産の旅」は、2013年2月から2014年5月まで32回執筆する機会を得ました。これが好評だったこともあって、新連載「世界記憶遺産の旅Ⅱ」の執筆の機会に恵まれています。今回は、妻の古田真美が担当しています。

  (1)ベートーヴェン交響曲第9番(ドイツ)
  (2)マグナ・カルタ(英国)
  (3)ショパンの名曲(ポーランド)
  (4)ミュージカル映画「オズの魔法使」(アメリカ)
  (5)東寺百合文書(日本)
  (6)舞鶴への生還(日本)
  (7)長編劇映画「ケリー・ギャング物語」(オーストラリア)
  (8)中世の医療薬学に関する文書(アゼルバイジャン)
  (9)子どもと家庭のための童話(ドイツ)
  (10)「離散家族さがし」の特番アーカイヴス(韓国)
  (11)アルビの地図(フランス)
  (12)人民の力革命のラジオ放送(フィリピン)
  (13)宗教改革のドキュメント(ドイツ)
  (14)スコルト・サーミ人の記録(フィンランド)
  (15)アンデルセンの直筆文書と通信文(デンマーク)
  (16)ケルズの書(アイルランド)
  (17)ミャゼーディー碑文(ミャンマー)
  (18)ベルリンの壁と条約に関する文書(ドイツ)
  (19)イプセン「人形の家」(ノルウェー)
  (20)パスツールのアーカイヴ(フランス)
  (21)ド・ゴール将軍の呼び掛け(イギリス・フランス)
  (22)チャーチルの書類(英国)
  (23)映画「忘れられた人々」(メキシコ)
  (24)会議法典ウロジェ二エ(ロシア)
  (25)オキボの詩集(アフリカ)
  (26)日省録(韓国)
  (27)ロスチャイルド文書(イスラエル)
  (28)エドモンド・ヒラリー卿の記録(ニュージーランド)
  (29)オランダ東インド会社の記録(オランダほか)
  (30)ロッサリーノ福音書(イタリア)
  (31)諸道と諸国の書(イラン/ドイツ)
  (32)パラフォクシアナ図書館(メキシコ)
  (33)デルヴァニ・パピルス ヨーロッパ最古の「書物」(ギリシャ)


 これは結構大変な難作業で、特に、それぞれの文書等が所蔵されている文書館や博物館から許諾を得て写真等を送ってもらうことに難儀しました。また、海外に出た時には、アポイントを取って当該機関を訪問など現地取材等も行いました。




<講演とシンポジウム>

3月 雛祭り普及協会主催 日本の世界遺産写真展と講演会&トーク
 「ユネスコ遺産の今とこれから」
5月 日商岩井社友会講演会
 「ユネスコ遺産の今後の話題とこれから-長崎の教会群・国立西洋美術館・山鉾屋台行事など-」
7月 TDE昼食講演会
 「ユネスコ世界遺産の現状と今後」
10月 杭州市人民政府・中国新聞社共催「首届中国大運河国際高峰論壇」
 「世界遺産と持続可能な観光の発展-日本の世界遺産地の事例など」



<世界遺産写真展>

●第一回目は、2010年に岩手県の一戸町で開催、
●第2回目は、2011年4月から6月に大阪府堺市の大阪府立大型児童館ビッグバンで、
●第3回目は、2011年11月3日(文化の日)に、社団法人射水青年会議所の主催で、富山県の射水市高周波文化ホール(旧新湊中央文化ホール)で、
●第4回目は、2011年11月に「宗像・沖ノ島と関連遺産群」世界遺産推進会議(福岡県・宗像市・福津市)の主催で、アクロス福岡2階の交流ギャラリーで、
●第5回目は、2012年4月に、私の母校である「呉市立両城小学校」(呉市)で開催することができました。
●第6回目は、2013年11月に、一般社団法人日本から台湾の世界遺産登録を応援する会の主催で、アーツ千代田3331(東京都千代田区)で実施された「知られざる台湾世界遺産候補地の魅力展」の世界遺産に関する総論解説の部分で、解説パネルの部分出展となりました。
●第7回目は、2015年8月に、公益財団法人新潟県国際交流協会の主催で、新潟県国際交流プラザ(新潟県新潟市)実施された「世界遺産写真展」です。
●第8回目は、2016年3月に、雛祭り普及協会の主催で、広島市西区区民センター(広島市西区)実施した「日本の世界遺産写真展」です。

 これらは、行政、企業、学校等との協働活動の成果で、ニーズがあれば、今後も継続していきたいと考えています。



<目標の達成>


昨年2015年は、四国霊場八十八箇所及び高野山奥の院、お遍路の旅について書きました、1999年(平成11年)11月14日に第1番霊山寺にお参りして以来、合間を見て、少しずつ回ってきました。最後に残った難所、第12番焼山寺(徳島県神山町)にチャレンジ、2015年12月27日、
結願できました。、車遍路でも、約16年かかりました。


1990年12月に「都市の再生戦略-創造的な都市づくり・街づくりへの指針-」を出版して以来、200冊目は、2016年3月に出版した「世界遺産ガイド-複合遺産編-2016改訂版」、
実に約26年かかりましたが、生涯目標の200タイトルを達成することができました



<国際会議への参加>

 世界遺産関係は、昨年2015年のカタールのドーハに引き続いて、今年2016年の第40回世界遺産委員会イスタンブール会議(トルコ)に参加しました。


<海外視察と出張>

 海外の世界遺産、世界無形文化遺産、世界記憶遺産の視察です。今年は、3回、海外に出ました。4月にメキシコ(韓国経由)、7月にトルコ、10月に中国の3か国です。

●メキシコ


広島~羽田~成田~メキシコシティ~プエブラ~テオティワカン~メリダ~ウシュマル~チチェンイッツアー~シケケンセノ―テ~バシャドリ~カンクン~メキシコシテイ~成田~羽田~竹原~呉~広島

2016年4月9日~16日 飛んでメキシコ5泊8日 人類学と人間学の旅

 メキシコの世界遺産の数は、33(自然遺産5 複合遺産1 文化遺産27)、世界第6位です。世界無形文化遺産の数は、7、世界第17位、世界記憶遺産の数は、12、世界第7位です。

 今回の旅の主目的は、世界遺産の数上位国のメキシコのユネスコ遺産を特集する為でした。

 現在のメキシコを、先コロンブス期、アステカ帝国、スペイン植民地時代、メキシコ独立革命後など歴史的に整理してみると、いろいろなものが混合した姿が見えてきました。

 円高、原油安など日本からの海外旅行には追い風になりましたが、安心・安全な国が少なくなっているなか、中南米のカリブ海諸国、メキシコ・キューバ辺りは、比較的に安全・安心かもしれません。

カリブの楽園、カンクン、こんなに美しい海は人生で初めて見ました!


●トルコ(韓国経由)


2016年7月9日~19日 広島~仁川~イスタンブール~仁川~広島 9泊11日の旅


 7月15日の夜に突然、クーデター未遂事件に遭遇

 7月10日から恒例のユネスコの世界遺産委員会が開催されました。今年2016年の開催地は、トルコのイスタンブールでした。先月の6月28日、アタテュルク国際空港でのテロ事件で、多くの死傷者が出たこともあって、ギリギリまで躊躇しました。

 結果的に、今回は、韓国経由でイスタンブール入りすることにしました。予想したとはいえ、セキュリティ・チェックが厳しく、入国審査では、人、人でごったがえし、入国するのに約1時間半かかりました。道路も混雑し交通が渋滞していました。

 ややこしいのは、シリアからの難民が増えていることも都市の治安に少なからず影響をあたえていることでした。

 平和、そして、安全な社会であっての世界遺産だと思います。

 今年の第40回世界遺産委員会イスタンブール会議での日本に係る話題は、「富士山」の世界遺産登録後の保全状況、7か国にまたがるコルビュジ江の建築作品の構成資産の一つである「国立西洋美術館」の新登録、「紀伊山地の霊場と参加道」の登録範囲の若干の拡大の3点、なかでも、一番関心が高かったのは、日本では20件目の世界遺産となる「国立西洋美術館」の登録審議でした。

 今年は難なく決.まると思っていましたが、軍事クーデターという思わぬ事態が発生しました。

 危機一髪の大統領が市民に決起を呼びかけたのは、スマートフォンのビデオ電話機能でした。トルコで起きた軍事クーデターの企て、与党支持者らが街に繰り出し、反乱軍を阻みました。

 
一連の事件を見ていて、自国を愛する人民が結束し自国を守った、すなわち、国民が盾になった、いわば人民軍の勝利だと思いました

 しかし、油断と予断は禁物でしたが、7か国にまたがるコルビュジ江の建築作品の構成資産の一つである「国立西洋美術館」は、決議案通り、登録決議されました。

 登録決議を見届けて、いざ、アタテュルク国際空港へ、一昨日のクーデター事件が嘘のように、イスタンブールのまちは平静を取り戻していました。まちのあちこちに、愛国心の象徴ともいえるトルコ国旗が見えました。空港も混乱なく平常のダイヤに戻り、無事に、インチョン国際空港に到着しました。

 乗り継ぎまで時間があるので、久しぶりに水原の華城へ行くことにしました。そして、広島の自宅に無事、帰着しました。いろいろ、ご心配をいただき有難うございました。貴重な経験をいたしました。

 21日、東京で講演をしましたが、「世界遺産」の話よりも「トルコでのクーデーター未遂事件」の話の方に関心が高まりました。クーデターの最中、テレビは映らなくなりましたが、ネット、なかでも、facebookでの皆さまからの書込みは、大変こころ強く思いました。幸いなことに共同通信の記者と同じホテルに宿泊していましたので、情報の早期入手など、大変ラッキーでした。



●中国


2016年10月20日~24日 久しぶりの中国(上海・杭州)
 今回の訪中の主目的は、21日に開催された杭州市人民政府と中新社主催の「大運河」(2014年世界遺産登録)をテーマにした国際高峰論壇に出席する為、主催者から招待されたものでした。

 広島から上海までは飛行時間が約1時間45分、札幌に行くくらいの時間距離です。従って、上海では新幹線の時間まで余裕があったので、愛知県の自動車関連工場の社長をここ13年間務められている日商岩井時代の先輩友人を表敬訪問しました。

 上海虹橋駅から杭州東駅までは新幹線で約1時間の移動、時速約300Kmの速さでした。

 宿泊ホテルと会場とが同じなので、打合せを兼ねて準備状況、プログラム、座席を確認、最前列でした。

 仕事も無事終了し、22日の午前中は大運河フェアを視察後、車で約2時間、上海浦東国際空港へ、しかしながら、天候不良で遅延・中止、翌日23日午前8時のフライトとなりました。

 人生と同じで全て順調とはいきませんが、23日、無事広島自宅到着しました。



<国内視察と出張>  

春、夏、秋、冬、青春十八切符などで在来線等のゆっくり旅を楽しみました。

○御津、姫路(兵庫県)
○名古屋(愛知県)
○長野、佐久(長野県)
○富士宮、富士、掛川(静岡県)
○倉敷、岡山、新見、勝山、蒜山(岡山県)
○宗像、太宰府、志賀島、福岡(福岡県)
○対馬、長崎(長崎県)
○東京(東京都)
○川口、浦和、三郷、川越(埼玉県)
○津和野(島根県)
○下関、上関、岩国、徳佐、萩(山口県)
○三次、庄原、帝釈峡、吾妻山(広島県)
○倉吉、大山(鳥取県)
○安芸灘諸島、因島、生口島(広島県)


 
<国内外からのホームページへのアクセス数>

 1997515日に開設した私共のホームページ。国内外からのアクセス数は、通算約126万。昨年のこの頃が約122万でしたので、この1年間のアクセス数は、約4万、1日当たり約110ということになります。今後もコンテンツの充実に努めてまいります。


<個人関係>


<世界遺産の西本願寺から院号を授与>

 2016年12月4日、京都の「西本願寺」(ユネスコの世界遺産「古都京都の文化財」の構成資産の一つ)の阿弥陀堂で「帰敬式」を受式し「法名」をいただきました。私は「釋求心」(しゃくぐしん)、妻は「釋瑞華」(しゃくずいけ)です。「法名」とは、仏法に帰依し釈迦の弟子となった人の名前です。また、「院号」とは、宗門や本願寺の護持発展に貢献した人、または、宗門もしくは社会に対する功労が顕著であると認めらた人に授与されます。「私は「陽光院」、妻は「眞美院」で、それぞれ、陽光院釋求心」、「眞美院釋瑞華」となりました。



facebook


 私事では、20114月に還暦を迎え、心機一転、新しい取組みを始めました。なかでも、facebookを通じて、旧友、社友、校友、知人とのネットワークの構築と、これまでの自分史をタイムラインで整理することを始めました。開設後約年が経過し、コンテンツも充実してきましたので、友達の輪を広げていきたいと思います。

 【facebookでの自己紹介】
世界の60か国、約300の世界遺産地を歴訪、著書に「世界遺産データ・ブック」、「世界記憶遺産データ・ブック」など、全国各地での講演、テレビ出演も多数。 HP:「世界遺産と総合学習の杜」



<コーラス>

 昨年
2015年以来、コーラスやカラオケも始めました。歌はそんなに上手くありませんが、音楽のリズムは楽しいものです。美鈴が丘公民館での月2回の歌の練習をベースに、イベントなどでの発表も励みになります。ピアノやフルート等の楽器演奏とのコラボレーションも良いものです。広島、竹原、呉へと広がっています。知らない地、知らない人たちとも「歌」は共通の言語の様に共有できます。


<呉の実家がテレビに>

●201年4月22日(金) RCCテレビ放送 第4回「歴史を感じる呉ならではの風景の巻」
 (両城のレンガが広がる風景)

●「古田家の赤レンガ塀と石垣」解説板設置



<お試し移住体験>
  

 昨年の北広島市(北海道)に続いて、

○世羅町(広島県)
2016年7月4日(月曜日)18時55分~19時広島テレビひろおく便り「世羅町「お試し暮らし」体験してみませんか」

○稚内市(北海道)
2016年7月31日(日曜日)  日刊宗谷「ちょっと暮らしで稚内満喫」
2016年8月2日(火曜日)  稚内プレス「広島の夫婦が体験 ちょこっと暮らし 5日まで下勇知で」
広報わっかない2016年9月号 とぴっくす 稚内に住んでみませんか? 移住体験「ちょっと暮らし」

○小豆島(香川県
2016年12月28日(水曜日)~2017年1月4日()


 さて、2017年は、酉年、果たしてどんな年になるのでしょうか。



   「トリ・鳥」を含むことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語には、次の様なものがあります。
•●足下から鳥が立つ
一石二鳥
越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く
窮鳥懐に入れば猟師も殺さず
•立つ鳥跡を濁さず
飛ぶ鳥跡を濁さず
飛ぶ鳥を落とす勢い
鳥なき里の蝙蝠
鳥も鳴かずば撃たれまい ⇒ 雉も鳴かずば撃たれまい


  2017年も時間の許す限り、地球的、人類的な視野に立って、世界の時流を読みつつ、世の中に役立つシンクタンクの舵取りを世界遺産総合研究所を中心に展開してまいります。

 長期的には10年、中期的には5年を視野に入れて、これまでに蓄積してきた知識と経験の集大成と利活用、応用と発展が課題です。

 昨年も書きましたが、世界の各地を歩いてみて思うことは、ここ10年、日本の国力や国際競争力が急速に低下している事を色々な面で感じてきました。政治家や当該分野の指導者の責任かもしれませんが、あらゆる分野において、相当、気を引き締めていかないと、国力や国際競争力は、低下していくばかりです。

  国家とは何なのか、少子高齢化・人口減少対策、危険性にないエネルギー政策への転換、尖閣諸島、竹島、北方領土などの領土問題、国防のあるべき姿、国家や地方の財政の健全化、国際援助の見直し、政権を担う当事者は、もっと真摯に真剣に取り組まないと、わが国は取り返しのつかない事態に陥ることを大変憂慮しています。

 団体主義的風土が陥りやすい意思決定のメカニズムの弊害が様々な局面で露呈、右往左往し迷走してきたようにも思えます。


 しかし、安倍政権になってからは、安心感が出てまいりました。景気を回復させ安定、成長型の長期政権を望みたいと思います。地方あっての中央ですが、地方の創成と再生は、喫緊の課題ですが、私のライフワークである「ユネスコ遺産」は、地方の活性化や地域の振興を図っていくのに、大変有効な普遍的なテーマです。

  さて、世界遺産ですが、2017年の第41回世界遺産委員会クラクフ会議では、日本の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」が候補になっています。

 世界無形文化遺産については、第12回無形文化遺産委員会ソウル会議では、日本の「来訪神:仮面・仮装の神々」が候補になっています。

 世界記憶遺産については、2年毎に選定されますが、2017年には「上野三碑」<申請者:(群馬県の)上野三碑世界記憶遺産登録推進協議会>、「杉原リスト-1940年、杉原千畝)が避難民救済のため人道主義・博愛精神に基づき大量発給した日本通過ビザ発給の記録」<申請者:岐阜県八百津町>、それに日韓共同での「朝鮮通信使に関する記録 17~19世紀の日韓間の平和構築と文化交流の歴史」<申請者:朝鮮通信使縁地連絡協議会、釜山文化財団>の3件が候補に挙がっています。


  世界遺産条約の目的は、かけがえのない世界遺産を、あらゆる脅威や危険から守っていくこと、また、その為の国際的な援助の体制をつくっていくことも大切なのですが、文化財の保存や修復など理工学的なアプローチに傾斜し過ぎてきた様に思います。

  自然遺産や文化遺産への脅威や危険、これらへの対策については、理工科学的な知見も重要なのですが、人為的な脅威や危険については、政治や経済など社会科学的な見地からのアプローチが最も重要であり、地球と人類の遺産を守っていく仕組みやメカニズムなどは既成の概念や価値観にとらわれないパラダイムの転換が求められているのかもしれません。

  2017年も、異文化である「洋の文化」、日本らしい「和の文化」、そして、「和洋折衷の文化」などその違いや類似する点などを認識できる文化空間を充実させ、固定観念や先入観にとらわれない「交流」と「対話」を重ねていきたいと考えています。

  なかでも、「和の文化」については、失われつつある日本の節句文化、すなわち、七草の節句(人日の節句)、桃の節句(ひな祭り)、菖蒲の節句(端午の節句)、笹の節句(七夕の節句)、菊の節句(重陽の節句)の復興、復活を望むものであり、全国各地の節句文化にかかわる行事、歳時記、風物詩、それに、保存と継承あり方などの研究を深化させていきたいと考えています。

 なかでも、「ひな祭り」と「鯉のぼり」については、日本へ来られる外国人の方々にもお見せできるお手本となるものを見い出していきたいと考えています。


  また、「世界記憶遺産」については、201512月に、データブックの改訂版の20152016年版を発刊したこと、また、幻冬舎から「世界の記憶遺産60」を出版したことでもあり、人間、人類、世界、地球などの「記憶」や「記録」についての調査研究、連載「世界記憶遺産の旅」など通じて、今後も深化させ、充実させていきたいと考えています。


  なにはともあれ、健康が第一、無理をせず、自然体、ボランティア精神で、報恩謝徳につとめてまいります。引き続きご支援をお願い致します。





                                  201612月吉日

                                   古田 陽久




 


 古田陽久 メキシコ


古田 陽久



古田 陽久



古田 陽久、真美



古田陽久、古田真美

















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