7月15日の夜に突然、クーデター未遂事件に遭遇
7月10日から恒例のユネスコの世界遺産委員会が開催されました。今年2016年の開催地は、トルコのイスタンブールでした。先月の6月28日、アタテュルク国際空港でのテロ事件で、多くの死傷者が出たこともあって、ギリギリまで躊躇しました。
結果的に、今回は、韓国経由でイスタンブール入りすることにしました。予想したとはいえ、セキュリティ・チェックが厳しく、入国審査では、人、人でごったがえし、入国するのに約1時間半かかりました。道路も混雑し交通が渋滞していました。
ややこしいのは、シリアからの難民が増えていることも都市の治安に少なからず影響をあたえていることでした。
平和、そして、安全な社会であっての世界遺産だと思います。
今年の第40回世界遺産委員会イスタンブール会議での日本に係る話題は、「富士山」の世界遺産登録後の保全状況、7か国にまたがるコルビュジ江の建築作品の構成資産の一つである「国立西洋美術館」の新登録、「紀伊山地の霊場と参加道」の登録範囲の若干の拡大の3点、なかでも、一番関心が高かったのは、日本では20件目の世界遺産となる「国立西洋美術館」の登録審議でした。
今年は難なく決.まると思っていましたが、軍事クーデターという思わぬ事態が発生しました。
危機一髪の大統領が市民に決起を呼びかけたのは、スマートフォンのビデオ電話機能でした。トルコで起きた軍事クーデターの企て、与党支持者らが街に繰り出し、反乱軍を阻みました。
一連の事件を見ていて、自国を愛する人民が結束し自国を守った、すなわち、国民が盾になった、いわば人民軍の勝利だと思いました。
しかし、油断と予断は禁物でしたが、7か国にまたがるコルビュジ江の建築作品の構成資産の一つである「国立西洋美術館」は、決議案通り、登録決議されました。
登録決議を見届けて、いざ、アタテュルク国際空港へ、一昨日のクーデター事件が嘘のように、イスタンブールのまちは平静を取り戻していました。まちのあちこちに、愛国心の象徴ともいえるトルコ国旗が見えました。空港も混乱なく平常のダイヤに戻り、無事に、インチョン国際空港に到着しました。
乗り継ぎまで時間があるので、久しぶりに水原の華城へ行くことにしました。そして、広島の自宅に無事、帰着しました。いろいろ、ご心配をいただき有難うございました。貴重な経験をいたしました。
21日、東京で講演をしましたが、「世界遺産」の話よりも「トルコでのクーデーター未遂事件」の話の方に関心が高まりました。クーデターの最中、テレビは映らなくなりましたが、ネット、なかでも、facebookでの皆さまからの書込みは、大変こころ強く思いました。幸いなことに共同通信の記者と同じホテルに宿泊していましたので、情報の早期入手など、大変ラッキーでした。