2021年の回顧と2022年の展望






  各 位

 2021年は、コロナ禍もあって、ライフスタイルが公私共に「動」から「静」へ一変しましたが、当シンクタンク、そして、世界遺産総合研究所にとって、これまで、パラレルに研究を進めてきたユネスコの「世界遺産」、「世界無形文化遺産」、「世界の記憶」を、「ユネスコ遺産」に総合化、統合化する試みを進化させると同時に、リニューアルに一定の成果をあげられた年だと自己評価しています。

 なかでも、「ユネスコ遺産ガイド-日本編-総集版」、それに20年ぶりの「誇れる郷土ガイド」の各地域編の改訂作業は、自分がこれまでに考えてきたことや思いを集約でき、出版活動30周年を記念する成果品となりました。

 また、公私を問わず、「整理」の一年だったように思います。「整理」は、終末に向けて、今後も続くことになります。


 この一年間の特記事項を下記します。


<新聞・テレビ>

●上毛新聞社(群馬県前橋市 発行数 28万1022部) 子ども新聞 週刊風っ子
●テレビ岩手 報道特別番組 縄文文化 世界へ
●中国新聞 セレクト版 北海道・北東北の縄文遺跡群  世界遺産に 共同通信配信
●佐賀新聞 朝刊 北海道・北東北の縄文遺跡群
●岩手日報 朝刊 「明日の世界」のモデルに 「御所野」世界遺産  共同通信配信登録
●テレビ岩手に出演
●読売新聞大阪本社版夕刊 20210413
●東大王で「世界遺産」が取り上げられる。 協力「世界遺産総合研究所」
<講演>

2021年4月15日(水曜日) 13時30分~15時30分 於:ビッグフロント5階 A・B・Cホール

シニア大学 世界遺産勉強会
 演題 「ユネスコ遺産とこれから」 

2021年10月29日(金曜日) 13時30分~15時30分

広島市佐伯区河内公民館 こうちカレッジ 
 演題「1度は行きたい! 日本の世界遺産~河内公民館から日本の世界遺産をめぐる~」

<出版活動>

 紙媒体での出版は、企画、取材、編集、整理、組版、印刷、製本、流通、販売と読者に届くまでに、多くの手間と多くの方々のご協力がなければ成り立ちません。デジタル化の進行で、出版環境にも大きな変化が起こりつつあります。
 
 基本的に「本が売れない」時代になりました。パソコン、インターネット、携帯電話などの普及で、ニュースなど様々な情報を紙媒体である新聞や書籍を読まなくても調べることが出来る様になっているからです。


 本が売れない時代に一般受けしない専門書を小出版するのは大変勇気がいります。しかし、大学の教科書に、毎年、採用してくださる先生方もおられます。これまで3度、<出典>として、大学や高校の入学試験問題に出題されたタイトルもありますので、取材、編集等の作業には、大変気をつかいます。

 2020年の出版実績は、11タイトル、通算255タイトルになり、念願の250タイトルをクリアできました。

 生涯目標の200タイトルは、5年前に達成しましたが、より良い作品を創作する為には、玉石混淆ではあっても、より多くのものを実際に自分自身の眼で見て、その違いや共通点を認識することが大切だと考えています。



  誇れる郷土ガイド ―九州・沖縄編―      ISBN978-4-86200-245-7 (2021年2月)

  誇れる郷土ガイド ―中国・四国編―       ISBN978-4-86200-246-4 (2021年2月)

  誇れる郷土ガイド ―中部編―      ISBN978-4-86200-247-1 (2021年3月)

  誇れる郷土ガイド ―近畿編―       ISBN978-4-86200-248-8 (2021年3月)

   世界無形文化遺産データ・ブック 2021年版    ISBN978-4-86200-249-5(2021年5月)
  全国学校図書館協議会選定図書

   ユネスコ遺産ガイド-日本編- 総集版  ISBN978-4-86200-250-1 (2021年4月)
  全国学校図書館協議会選定図書

   世界無形文化遺産事典 2021年版      ISBN978-4-86200-251-8 (2021年5月)

   界遺産ガイド-日本編- 2022年版  ISBN978-4-86200-252-5 (2021年9月)
  全国学校図書館協議会選定図書

   界遺産データ・ブック 2022改訂版   ISBN978-4-86200-253-2(2021年9月)
  全国学校図書館協議会選定図書

   世界遺産事典 2022年版    ISBN978-4-86200-254-9(2021年10月)
  全国学校図書館協議会選定図書

  世界遺産ガイド-ユネスコ遺産の基礎知識-2022改訂版
  全国学校図書館協議会選定図書                                                            
                               ISBN978-4-86200-256-3 (2021年9月)



 1990年12月に「都市の再生戦略-創造的な都市づくり・街づくりへの指針-」を創刊以来、2020年12月の「」の発刊で、通算250冊の本を世に送り出してきました。

 この間、メディア環境も大きく変化し、電子出版などデジタル化も進行しています。

 「出版活動30年の歩み」は、2020年12月の出版活動30周年を記念して 、これまでの当シンクタンクの出版の歩みを記録に残す為に企画したもので、本の表紙も、いずれ展示物にすることを検討しています。

 本が売れない出版業界のなか、発行部数が少ないこともあって、今では、絶版、希少本になっているものも少なからずあります。

 しかし、「世界遺産シリーズ」の「世界遺産入門」と「世界遺産ガイド」、「ふるさとシリーズ」の「誇れるガイド」は、大学、高校、中学などの入学試験問題の出典に取り上げられたこともありました。

 また、これまでの調査研究成果を、国内外の大学等の「授業」や各地での「講演」など学校教育や社会教育にも反映してきました。

 激変するメディア環境のなかで、全ての既刊の出版物、それに、製作の過程で蓄積してきた画像、地図、テキストなどの膨大なコンテンツを電子化し、データベース化もしていますので、後世においても、「
1990年代~2010年代の世界の重要な自然と文化の記憶」の一つとして活用されるように、記録の保存と整備も同時に進めています。

 今後も、これらが情報源や底本となるように、他の媒体等との連携を進めていくと共に古田陽久の後継者たちの育成にも努めていきたいと考えています。

 これまでの既刊本は、すべて、国立国会図書館(National Diet Library)の東京本館<東京都千代田区永田町>や関西館<京都府相楽郡精華町>に所蔵されていると共に計画中の「古田記念館」でも記念に残したいと考えています。

 また、身近な市町村の公共図書館、大学や高校などの学校図書館、各種資料館等でも見られるように、皆さまの、ご支援、リクエストをお願いしたいと思います。


<国内外からのホームページへのアクセス数>

 1997515日に開設した私共のホームページ「世界遺産と総合学習の杜」。国内外からのアクセス数は、通算約1307048になりました。

 今後もコンテンツの充実に努めて、役立つ情報源にしていきたいと思います。


<個人関係>


<防災士>

 私が住む広島の美鈴が丘緑街区の町内会長からの勧めもあって、「防災士」の資格を、3年前に、広島市で取得、世界遺産の仕事においても大変役立っています。

 防災士とは、特定非営利活動法人日本防災士機構による民間資格です。 機構が定めたカリキュラムを防災士教本による自宅学習(履修確認レポート)と会場研修講座の受講で履修し、履修証明を得て資格取得試験に合格し、消防本部または日本赤十字社等の公的機関が主催する「救急法等講習」、「普通救命講習」、「上級救命講習」を受講して、その修了証または認定証を取得した者に認定される。防災士証の有効期限や写真の書換え更新はなく終身の民間資格(資格称号)です。

 コロナ禍もあって、暇をもて余していると思われたのか、美鈴が丘まちづくり協議会の防災部長と美鈴が丘学区自主防災連合会会長の大役がまわってきましたが、仕事で広島を離れることが多くなり、若い世代にバトンタッチしました。

 約1年間とは言え、コロナ下でもあって、約3年間くらいの勉強をしたので、その研究成果を

美鈴が丘まちづくり協議会の機関紙「広報みすず」 令和3(2021)年7月号などで「わが街防災」の連載を執筆させていただきました。 

 このことも、東京時代、忙中閑、マンションの管理組合の理事長をしていた時に「防災」の勉強をしていたことが、大変役立ちました。


facebook


 私事では、20114月に還暦を2021年4月に古希を迎え、心機一転、新しい取組みを始めました。なかでも、facebookを通じて、旧友、社友、校友、知人とのネットワークの構築と、これまでの自分史をタイムラインで整理することを始めました。開設後約10年が経過し、友人が約1400 人、フォロワーが397人、友達の輪をもっともっと広げていきたいと思います。

 トピックスとしては、「ひろしま観光大使」に任命されたこと、呉の両城の実家が「絵葉書」になったこと、青春18切符での「広島から東京まで一気に行く旅」「山陰と丹波2泊3日の旅」などが挙げられます。
<facebookからの抜粋記事>【202112月12日~15日 人吉球磨(熊本県)への3泊4日の旅】
今回の「旅」の目的は、
 ➀気分転換、心機一転
 ②日本遺産のまち「人吉」の研究
 ③「防災士」の観点からの災害からの復旧・復興の状況の視察
 ④親しい友人の「ふるさと」の情景、生地、人吉高校などを見学
 ⑤熊本県の地域を題材にした「作詞」第二弾の完成
 ⑥作詞家・犬童球渓の記念館訪問
 ⑦鉄道遺産「JR肥薩線」「くまがわ鉄道」の見学
 ⑧球磨焼酎「市房」ゆかりの「市房山」を観る
 ⑨博多バスターミナルと九州の高速バスのネットワークの体験
 ⑩球磨川、人吉城址などの文化的景観を見る
など多岐にわたり「霧」や「温泉」も素敵な3泊4日の旅であった。
12日は人吉市内を26000steps、20km、13日は20,525steps、15.8km、14日は34,416steps、26.5km、3日間で、80941steps、62.3km歩きました。私は「歩く」のは苦にならないのですが、皆さん、驚いておられました。

【facebookでの自己紹介】

世界の68か国、約300の世界遺産地を歴訪、著書に「世界遺産」、「世界無形文化遺産」、「世界の記憶」の各データ・ブックなど、全国各地での講演、テレビ出演も多数。
HP:「世界遺産と総合学習の杜

<コーラス>

 6年前の
2015年以来、コーラスやカラオケも始めました。歌はそんなに上手くありませんが、音楽のリズムは楽しいものです。日本の唱歌、昭和歌謡など「日本の歌」を中心に
歌える歌100曲をめざしています。

 「日本の歌」と言えば、昔、中央アジアのウズベキスタンのボイスンというところに行った際に、現地の人と交流、「日本の歌」を歌ってくれと言われた時に戸惑ったことを思い出します。

 現在、広島市の中央公民館での月5回、広島市立美鈴が丘公民館での月2回の歌の練習などをベースに、「広島メンネルコールの第50回記念定期演奏会」や「広島合唱フェスティバル」、それに、「第47回呉混声合唱団定期演奏会 あゆむ歌の会」などでの
発表も励みになっています。ピアノやフルート等の楽器演奏とのコラボレーションも良いものです。

 「歌」は、広島、呉、竹原の仲間へと広がっています。知らない地、知らない人たちとも「歌」は共通の言語の様に共有できる様に思います。


 2022年も時間の許す限り、地球的、人類的な視野に立って、世界の時流を読みつつ、世の中に役立つシンクタンクの舵取りを引き継ぎも兼ねて後継者と共に、世界遺産総合研究所を中心に展開してまいりますので、よろしくお願いいたします。

 長期的には5年、中期的には3年、短期的には1年を視野に入れて、これまでに蓄積してきた知識と経験の集大成と利活用、応用と発展が課題ですが、私の後継者の育成、引き継ぎも大きな課題です。

 昨年も書きましたが、世界の各地を歩いてみて思うことは、ここ20年、日本の国力や国際競争力が急速に低下している事を色々な面で感じています。政治家や当該分野の指導者の責任かもしれませんが、あらゆる分野において、相当、気を引き締めていかないと、国力や国際競争力は、低下していくばかりです。

 国家とは何なのか、少子高齢化・人口減少対策、離婚の増加、家族の崩壊、危険性のないエネルギー政策への転換、尖閣諸島、竹島、北方領土などの領土問題、国防のあるべき姿、国家や地方の財政の健全化、国際援助の見直し、政権を担う当事者は、もっと真摯に真剣に取り組まないと、わが国は取り返しのつかない事態に陥ることを大変憂慮しています。

 一方、団体主義的風土が陥りやすい意思決定のメカニズムの弊害が様々な局面で露呈、右往左往し迷走しているようにも思えます。


 地方あっての中央ですが、地方の創成と再生は、喫緊の課題ですが、私のライフワークである「ユネスコ遺産」は、地方の活性化や地域の振興を図っていく上での、普遍的で効果的なテーマであると考えています。

 世界遺産条約の目的は、かけがえのない世界遺産を、あらゆる脅威や危険から守っていくこと、また、その為の国際的な援助の体制をつくっていくことが大切なのですが、文化財の保存や修復など理工学的なアプローチに傾斜し過ぎてきた様にも思います。

 自然遺産や文化遺産への脅威や危険、これらへの対策については、理工科学的な知見も重要なのですが、人為的な脅威や危険については、政治や経済など社会科学的な見地からのアプローチが最も重要であり、地球と人類の遺産を守っていく仕組みやメカニズムなどは既成の概念や価値観にとらわれないパラダイムの転換が必要なのかもしれません。

 2022年も、異文化である「洋の文化」、日本らしい「和の文化」、そして、「和洋折衷の文化」などその違いや類似する点などを認識できる文化空間を充実させ、固定観念や先入観にとらわれない「交流」と「対話」を重ねていきたいと考えています。

 「世界の記憶」(旧世界記憶遺産)については、20181月に、データブックの改訂版である「世界の記憶データ・ブック」(世界記憶遺産データ・ブックから改名)の20172018年版を発刊しましたが、類書が無いに等しいので、根強いニーズがあります。

 また、2015年7月には幻冬舎から「世界の記憶遺産60」を出版したことでもあり、人間、人類、世界、地球などの「記憶」や「記録」についての調査研究を、今後も深化させ、充実させていきたいと考えています。


 なにはともあれ、心身共に健康が第一、無理をせず、自然体、ボランティア精神で、報恩謝徳につとめてまいります。また、何はともあれ、後継者を立派に育成し継承していくことが大きな課題であると考えています。引続きご支援をお願い致します。

 コロナ禍で日常生活が「不自由」になるなか、改めて、当り前だと思っていた「自由」な生活の有難さを再認識しています。

 私の郷里の呉市(広島県)においても、気のせいなのか、シャッターをおろしているお店が増えている様な気がします。それでなくても、高齢化で空地や空家が目立ちますが、一方において、東京等からの移住してきた若者に出会うこともあります。何で生活していくか、就業や起業がし易い環境をつくってあげることが必要なんだと思います。

 今年の課題は「詞」(ことば)の研究の深化です。昨年に続き、作詞の勉強をしてみたいと思います。処女作品である熊本県の緑川流域を題材にした「悠久の石橋の町」は多くの方々の愛唱歌になることの願いと今後の活動に弾みをつけてくれるものと思います。

 それと、本が売れない時代ですが、「ユネスコ遺産」(世界遺産1154件、世界無形文化遺産629、世界の記憶427)の研究も更に深化させていきます。2210件のモニタリングは大変です。

 なにごとにおいても、結果はともあれ、最善を尽くすことです。ベストを尽くせば後悔をすることはありません。後片付けをしながら、前向きにどんどん前へ進みます。それが、私が生きている信条であり信念なのです。但し、生来、正義感が強いのか、諸悪は退治します。


 昨年と同様に、下記のいわゆる『福澤心訓』(諸説ありますが)、良い言葉なので、引用しておきます。

  心訓

 一、世の中で一番楽しく立派な事は、一生涯を貫く仕事を持つという事です。
 一、世の中で一番みじめな事は、人間として教養のない事です。
 一、世の中で一番さびしい事は、する仕事のない事です。
 一、世の中で一番みにくい事は、他人の生活をうらやむ事です。
 一、世の中で一番尊い事は、人の為に奉仕して決して恩にきせない事です。
 一、世の中で一番美しい事は、全ての物に愛情を持つ事です。
 一、世の中で一番悲しい事は、うそをつく事です。



                                            

                          2022年1月1日  古田 陽久

 
 


















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