続刊 世界遺産ガイドー日本編ー2.保存と活用 を発行しています。 |
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日本図書館協会選定図書 全国学校図書館協議会選定図書 |
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はじめに<抜粋> |
世界遺産とは,人類が過去に残した遺跡や文化財,貴重な自然環境などを国際的な協力のもとに保護・保全し後世に継承していくことを目的に,1972年のユネスコ総会で採択された「世界遺産条約」に基づく「世界遺産リスト」に登録されている物件のことです。 エジプトのピラミッド,アメリカ合衆国のグランドキャニオン,中国の万里の長城,オーストラリアのグレートバリアリーフなどがその代表的な物件です。 世界遺産条約は,2001年1月現在, 161か国(1月24日現在162か国)が締約し,690件(122か国)の自然遺産,文化遺産,それに,複合遺産がユネスコ(国連教育科学文化機関)の「世界遺産リスト」に登録されています。わが国は,1992年にこの条約を批准しました。 わが国にあるユネスコ世界遺産は,現在,11物件。2000年11月27日〜12月2日にオーストラリアのケアンズにおいて開催された第24回世界遺産委員会で,「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が新たに登録されました。 「顕著な普遍的価値」(Outstanding Universal Value)をもつ自然環境や文化財が,ユネスコの世界遺産に登録されるということは,日本各地の身近な自然環境や文化財を見直す動機づけになると共に,世界遺産地においては,世界の目から常に監視されることになり,登録遺産の保護・保全の為に,より一層の努力が求められることと,その責任を負っていかなければなりません。 世界遺産は,世界遺産地のネーム・バリューを相乗的に国内外にアピールできる絶好の機会となることも確かです。一方において,世界各地のお手本や教訓を学んでいくことなどを通じて,自分達の周辺環境をグローバルな視点から見つめ直し,21世紀の国土づくりや地域づくりにも反映していく契機になれば,社会的にも大変意義のあることです。 日本には,世界に誇れる自然環境や文化財が各地に数多くあり,今後も,より多くの物件がユネスコ世界遺産に登録されていくことが期待されます。また,各地で世界遺産化に向けての動きも活発化しています。 ユネスコ世界遺産に登録される為の基本要件を満たし,世界遺産化への環境整備を図っていくことが,ひいては,内外に誇れる国土づくりや地域づくりにも繋がり,文化の誉高い心豊かな国民性と風土を形成し,文化大国としても,国際的に尊重されていく国家と国土になっていくと思うのです。 本書「世界遺産ガイド−日本編−2001改訂版」は,1997年3月15日に発刊した「日本の世界遺産ガイド−1997年版−」,1999年1月15日に改題・改編した「世界遺産ガイド−日本編−」をベースに,その後,新たに登録された「日光の社寺」,「琉球王国のグスク及び関連遺産群」を追加し,最新情報も反映させ2001改訂版として発刊するものです。 本書が,日本にあるユネスコ世界遺産への知識と理解を深める手掛かりとなり,世界遺産学の一助になれば幸いでございます。 本書の編集にあたり,数多くの皆様に大変お世話になりました。厚く御礼申し上げます。 2001年1月1日 シンクタンクせとうち総合研究機構 古田陽久,古田真美 |
世界遺産ガイド−日本編− 2001改訂版 学習のポイント |
□日本にあるユネスコ世界遺産の全体像の把握。 □ユネスコ世界遺産がある世界遺産登録地の歴史,風土,産業,文化,土地の人々の生活についての理解。 □自分の目と足で,日本にあるユネスコ世界遺産を実際に歩いて見てみよう。 □どのような点がユネスコ世界遺産として評価され認められたのかを整理してみよう。 □登録基準が同じ世界各地のユネスコ世界遺産との類似点と相違点を比較してみよう。 □人類の宝ともいえるユネスコ世界遺産を守り,未来へ継承していく為に,私たちが出来ることについて考えてみよう。 □今後も,日本のユネスコ世界遺産は増えていきますが,どの様な物件が,新たに,ユネスコ世界遺産に登録されるべきかを考えてみよう。 □また,身近の,素晴らしい自然環境や貴重な文化財を具体的な題材として,「顕著な普遍的価値」とは何なのか,そして,ユネスコ世界遺産に登録される為の要件への適合性等について,考察してみよう。 |