誇れる郷土データ・ブックー地方の創生と再生-2015年版








誇れる郷土データ・ブックー地方の創生と再生-2015年版  
著者 古田陽久古田真美
企画・編集 世界遺産総合研究所
発行 シンクタンクせとうち総合研究機構
定価 本体2500円
ISBN 978-4-86200-192-4
発行 2015年5月20日
判型 A5
頁数 128ページ

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全国学校図書館協議会選定図書








【本書の特色】国や地域の創生や再生につながる遺産を都道府県別に整理


本書では、将来的に、国や地域の創生や再生につながる世界遺産、世界無形文化遺産、世界記憶遺産などの候補にもなりうる自然景観、地形・地質、生態系、生物多様性、遺跡、建造物群、モニュメント、口承及び表現、芸能、社会的慣習、儀式及び祭礼行事、自然及び万物に関する知識及び慣習、伝統工芸技術歴史的な文書や記録などを都道府県別に整理。


 

 







 

【目  次】

 



  ■はじめに    3



 

 ■世界遺産と地方の創生と再生    49

 

  日本の世界遺産と世界遺産暫定リスト記載物件等    10

  日本の世界遺産、世界無形文化遺産、世界記憶遺産    12

 

 

 ■全国47都道府県の概要

 

              北海道………… 16          石川県………… 48          岡山県………… 80

              青森県………… 18          福井県………… 50          広島県………… 82

              岩手県………… 20          山梨県………… 52          山口県………… 84

              宮城県………… 22          長野県………… 54          徳島県………… 86

              秋田県………… 24          岐阜県………… 56          香川県………… 88

              山形県………… 26          静岡県………… 58          愛媛県………… 90

              福島県………… 28          愛知県………… 60          高知県………… 92

              茨城県………… 30          三重県………… 62          福岡県………… 94

              栃木県………… 32         滋賀県………… 64          佐賀県………… 96

            群馬県………… 34         京都府………… 66          長崎県………… 98

              埼玉県………… 36          大阪府………… 68          熊本県…………100

              千葉県………… 38          兵庫県………… 70          大分県…………102

              東京都………… 40          奈良県………… 72          宮崎県…………104

              神奈川県……… 42          和歌山県……… 74          鹿児島県………106

              新潟県………… 44          鳥取県………… 76          沖縄県…………108

              富山県………… 46          島根県………… 78

 

 

 ■参考データ 

 

  47都道府県の市町村数の推移         ………………………………………………              112

  47都道府県の市町村数      ………………………………………………………              113

  世界遺産地の行政区分の変遷           ………………………………………………              114

 

 

はじめに

 

 本書「誇れる郷土データ・ブック」は、199697年版、2004年版、2009年版、2012年版に続く5訂版となります。199697年版を発刊した19966月から20年近い歳月が経過しました。当時と比較して、現在、日本の置かれている状況は、大きく変化しています。

 

 例えば、2011311日に発生した東日本大震災、それに東京電力福島第一原子力発電所事故などの影響で、日本列島は自然災害や人為災害の脅威や危険にさらされ、何よりも安全と安心な国土形成が求められています。

 

 この様な事態が、仮に、人口や諸機能が集中する東京・太平洋ベルトで起きた場合、国家機能が機能しなくなることも想定され、国家の危機管理上も、一極一軸型の国土構造の是正が必要となります。

 

 わが国の社会構造上の変化としては、人口が2004年をピークに継続して減少、「人口減少社会」に突入したことです。少子化と共に急速な長寿・高齢化が進行しているのです。

 

 国の経済力も、GDP(名目)が、2004年は5037,254億円であったのに対して、2014年は4878,823億円と成長どころか低下しています。

 

 一方、わが国の地方の行政改革は、広域的な市町村合併によって、1999年当時の市町村数は、325223特別区6711990568村)であったのに対し、2014年には、174123特別区790745183村)と整理・統合が進んでおり、基礎自治体の行財政基盤の強化の為にも、更なる合併・統合が求められます。

 

 その背景として、国及び地方の長期債務残高は、1998年度末には、553兆円(国 390兆円 地方 163兆円)であったのに対し、2013年度末には、972兆円(国 770兆円 地方 201兆円)と膨れ上がり、国と地方の財政危機は深刻化、予期せぬことで財政が破綻しかねない憂慮すべき財政状況にあります。

 

 こうした、わが国を取巻く社会・経済の構造変化のなかで、情報通信技術(ICT)が発達、陸、空、海の高速交通網も整備され、地域間、そして、国際的にもボーダーレス化しています。

 

 一方、国民の地球環境や美しさなどへの意識も高まっています。例えば、ユネスコの「世界遺産」、「世界無形文化遺産」、「世界記憶遺産」、それに2015年に文化庁が新設した「日本遺産」などです。これらを通じて、地縁型のコミュニティ、NPO、企業、行政などが協働して居住環境の整備、地域の自発的な地域資源の発掘と利活用、維持・存続が危ぶまれる集落への目配りなど文化が育む豊かで活力ある地域社会を形成していくことが大切です。

 

 また、観光振興による地域経済の活性化も必要です。2014年の訪日観光客数は、13414千人となり過去最高を記録、ビザの大幅緩和や消費税免税制度拡充のほか、アジア地域の経済成長に伴う海外旅行需要の拡大、円安進行による訪日旅行の割安感の浸透、それに観光庁、JNTOが中心となって継続的に取り組んできた訪日プロモーションとともに、日本国内のインバウンド業界の機運の高まりが、訪日旅行の魅力の訴求も加勢しました。

 

 本書では、将来的に「地方の創生と再生」につながる新たなシーズの発掘に照準をあて、全国47都道府県の最新のトピックスを特集しました。





世界遺産と地方の創生と再生



はじめに

 

 2015年は、戦後70周年であると共に、ユネスコ憲章がロンドンで開催された連合国教育大臣会議で採択されてから70年になる節目の年です。本稿は、ユネスコの「世界遺産」の考え方を導入し、地域づくりやまちづくりなど地方の創生や再生の新たなシーズを見出したいと思います。

 

世界遺産の現状

 

 世界遺産とは、地球上の「顕著な普遍的価値」(Outstanding Universal Value)を有する自然景観、地形・地質、生態系、生物多様性などの自然遺産、人類の英知と人間活動の所産を様々な形で語り続ける「顕著な普遍的価値」を有する遺跡、建造物群、モニュメントなどの文化遺産、それに、自然遺産と文化遺産の両方の価値を有する複合遺産からなります。

 1972年の第17回ユネスコ総会で採択された世界遺産条約とは、地球と人類の至宝である自然遺産や文化遺産を、人類共通の財産として、地震などの自然災害や戦争や紛争などの人為災害による損傷、破壊等の脅威から保護・保存することが重要であるとの観点から、国際的な協力および援助の体制を確立することを目的としています。

 2014615日から25日まで、カタールの首都ドーハで第38回世界遺産委員会(世界遺産条約締約国の191か国から選ばれた21か国で構成)が開催され、日本の「富岡製糸場と絹産業遺産群」をはじめ、サウジアラビアの「歴史都市ジェッダ、メッカへの門」、パレスチナの「オリーブとワインの地パレスチナ-エルサレム南部のバティール村の文化的景観」、インドの「グレート・ヒマラヤ国立公園保護地域」、ミャンマの「ピュー王朝の古代都市群」、中国の「京杭大運河」、イタリアの「ピエモンテの葡萄畑の景観:ランゲ・ロエロ・モンフェッラート」、中国、カザフスタン、キルギスの3か国にまたがる「シルクロード:長安・天山回廊の道路網」、コロンビア、エクアドル、ボリヴィア、ペルー、チリ、アルゼンチンの6か国にまたがる「カパック・ニャン、アンデス山脈の道路網」など30か国の26件が、新たに「世界遺産リスト」に加わりました。

 これによりユネスコの世界遺産の数は、自然遺産が197件、文化遺産が779件、複合遺産が31件で、合計では世界の161の国と地域に分布する1007件になりました。

 一方、地震、津波、火災、風水害、戦争、紛争、無秩序な乱開発、密猟などで緊急の保護救済措置が求められる「危機にさらされている世界遺産リスト」には、コンゴ民主共和国の「オカピ野生動物保護区」、アメリカ合衆国の「エバーグレーズ国立公園」などの自然遺産が17件、イラクの「サーマッラの考古学都市」、マリの「トンブクトゥー」、シリアの「パルミラの遺跡」、パレスチナの「イエスの生誕地:ベツレヘムの聖誕教会と巡礼の道」などの文化遺産が27件、世界の32の国と地域の46件が登録されています。

 

日本の世界遺産の現状

 

 2015年は、ユネスコ憲章が採択されてから70年になる節目の年であり、今後、ユネスコやユネスコの事業である世界遺産がどの様に発展していくべきなのか、持続可能な発展に向けての方向性が問われています。

 日本は、1992630日に世界遺産条約を受諾、125番目の締約国として仲間入りしました。これまでに18件がユネスコの世界遺産リストに登録されており、その数は世界第13位です。

 このうち、自然遺産は、「白神山地」(青森県・秋田県)と「屋久島」(鹿児島県)、「知床」(北海道)、「小笠原諸島」(東京都)の4件。文化遺産は、「法隆寺地域の仏教建造物」(奈良県)と「姫路城」(兵庫県)、「古都京都の文化財」(京都府・滋賀県)、「白川郷・五箇山の合掌造り集落」(岐阜県・富山県)、平和記念碑(原爆ドーム)」(広島県)、「厳島神社」(同)、「古都奈良の文化財」(奈良県)、「日光の社寺」(栃木県)、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」(沖縄県)、「紀伊山地の霊場と参詣道」(和歌山県・奈良県・三重県)、「石見銀山遺跡とその文化的景観」(島根県)、「平泉仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」(岩手県)、「富士山信仰の対象と芸術の源泉」(静岡県・山梨県)、「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)の14件です。

 

世界遺産の登録要件

 

 世界遺産は、民族、人種、宗教、思想などが異なる多様な国際社会で、これらの違いを越えて70億人の人類が共有できる普遍的な価値概念といえます。

 世界遺産に登録されるためには、世界遺産にふさわしい「顕著な普遍的価値」の正当性を証明しなければなりません。

 必要条件は、ユネスコが設ける世界遺産の登録基準の(i)〜(x)の基準のうち、1つ以上が該当することとその根拠の説明が求められます。

 十分条件は、第一に、推測や虚偽ではない「真実性」、或は、形状、意匠、材料、材質などの「真正性」、それに、重要な構成資産が全て含まれること、特徴を不足なく代表するための適切な大きさが確保されていること、開発や管理放棄による負の影響を受けていないことなどの「完全性」、第三に、他の類似物件と比較して、比類ない「独自性」があることを証明しなければなりません。

 それに、中長期的な保存管理計画があるかどうか、また、保存管理体制が法的にも担保されているかどうかなどを、専門機関の国際自然保護連合(IUCN)や国際記念物遺跡会議(ICOMOS)によって、厳正に評価されます。

 これまでになかった、世界遺産にふさわしい価値評価の基準を、私は、敢えて「世界遺産基準」と呼び、身近な自然環境や文化財を大切にし、誇れる郷土の未来遺産に育てていく、「世界遺産基準」の地域づくり・まちづくりが、地域の振興や活性化を図っていく上で重要であると常々主張しています。

 

世界遺産登録のメリットとデメリット

 

 世界遺産は、「世界遺産リスト」に登録することが目的ではなく、人類共通の財産として、国際的な枠組みのなかで、恒久的に保護していくことが目的であることを忘れてはなりません。

 世界遺産登録をゴールとするのではなく、関係行政機関や地元住民などが一体となって、世界遺産登録後も長期間にわたる保存管理や監視活動に尽力していくことが重要です。

 従って、本来、目先の利益や不利益などのメリットやデメリットを論ずるべきものではありませんが、敢えて、そのメリットやデメリットを幾つか挙げてみたいと思います。

 

 (1)世界遺産登録のメリット

 

 地球と人類の至宝であるユネスコの世界遺産になることによって世界的な知名度が高まります。また、世界遺産地に住む人、働く人、学ぶ人、また、出身の人達にとって、郷土を誇りに思う心、ふるさとを愛する気持ちなど心理面な意識効果が大きいです。

 テレビ番組や新聞などのメディアで取り上げられることも多くなり、必然的に、観光入込み客が増加します。これに伴い、観光収入も増加し、地域経済への貢献度も高くなります。

 なかでも、中国では、世界遺産登録に伴う国内外からの観光客の増加が顕著であり、世界遺産のある省の観光収入が地域経済に大きく貢献しており、各省から世界遺産を所管する中国国家文物局等への新たな世界遺産登録申請の陳情が絶えないと聞いています。

 世界遺産になることによる最大のメリットは、保護や保存の為の管理計画を策定しなければならないこともあり、万全の保護や保存の為の管理体制が構築されること、また、世界遺産登録後も多くの人の監視の目にさらされることもあり、最良のものが更に良くなる好循環のシステムが機能することだと思います。

 

 (2)世界遺産登録のデメリット

 

 一方、世界遺産になったことによって、開発圧力、観光圧力、環境圧力など新たに発生する問題もあります。

 例えば、観光圧力(ツーリズム・プレッシャー)の場合、どこの観光地にも共通することですが、観光客のマナーの問題として、①落書きなどの悪戯 ②ゴミなどのポイ捨て ③立小便 ④自生植物の踏み荒らし ⑤禁止場所でのたき火や釣り ⑥植物採取などの違反行為 ⑦民家の覗き見などが挙げられます。

 受け入れ側の問題としては、①交通渋滞 ②外国人への対応も含めた世界遺産ガイドの不足 ③宿泊施設などの受け入れ施設難など一時的な需給アンバランスがオーバー・ユース現象などを生じさせているます。

 さらに、①自動車の排ガス・ゴミ・し尿などの環境問題 ②新たな宿泊施設などの建設など開発圧力に伴う景観問題などが国内外の世界遺産地で問題になっています。

 

世界遺産を活用した地域振興

 

 世界遺産を活用した地域振興のあり方として、私は、教育、観光、地域づくり・まちづくりの分野での利活用が望ましいと、常々主張しています。

 

 (1)教育

 

 世界遺産を教育に生かし、世界遺産地における郷土学習や持続可能な発展のための教育(ESD)をはじめ、学校教育や社会教育に導入していく試みは重要です。

 ユネスコの「世界遺産リスト」には、多様な自然遺産や文化遺産が登録されています。世界遺産は、46億年の地球史や500万年の人類史を学ぶのに最適な百学連環の世界遺産学の宝庫です。

 ユネスコの世界遺産とは何なのか、そして、世界遺産の価値についての認識を全員が共有すること、また、日本国内では895校(20151月現在)の幼稚園、小・中・高校などが加盟するユネスコ・スクール(ASPnet,Associated Schools Project Network)のネットワークなどを通じて、全国的な普及PRを図り、世界遺産の認知度や認識度を深めていく必要があります。

 

 (2)観光

 

 観光振興の為に世界遺産登録をめざす自治体が時折見受けられますが、世界遺産条約の本旨は、世界遺産の保護が目的であり、観光振興が目的ではないことを再認識しておく必要があります。

 しかしながら、世界遺産になると、全国的な知名度の高まりと共に、日本の代表的な観光資源になる可能性が高く、一般的には、世界遺産登録前後は、観光入込み客数は増加します。

 なかでも、観光地として成熟していない地域が世界遺産地になると、必然的に増加率は高くなりますが、それが持続するかどうかは、遺産そのものの魅力をどのように引き出していくか、地元の工夫や努力等で分岐します。

 観光庁は、観光立国の実現をめざしていますが、ユネスコの世界遺産は、日本が内外に誇れる観光資源でもあり、世界遺産を活用した持続可能な観光の推進体制を強化すべきです。

 

 (3)地域づくり・まちづくり

 

 世界遺産登録の実現に向けて、そして、世界遺産登録後においても、世界遺産地にふさわしい地域づくり・まちづくりを進めていくことが大切です。

 世界遺産登録の実現に向けては、「世界遺産基準」を満たす地域づくり・まちづくりを理想に描いて、現実とのギャップを解消していく、長い時間のかかる地道な作業のプロセスこそが地域づくり・まちづくりと言っても過言ではありません。

 世界遺産登録をなぜめざすのか、住民全体の理解と利害関係者の同意がなければ、世界遺産登録後の地域づくり・まちづくりは、上手くいきません。行政と民間とが協働して、世界遺産に育てる夢と魅力のある地域づくり・まちづくりを進めていくことが望まれます。

 

世界遺産のこれから

 

 国内的には、今後、世界遺産に登録する考えのある暫定リストには、自然遺産関係は、暫定リスト記載物件はなく、新たな登載が必要です。

 2003年に環境省と林野庁による「世界自然遺産候補地に関する検討会」で選定された19地域のうち、既に世界遺産登録を実現した「知床」と「小笠原諸島」の2地域を除く「琉球諸島」(鹿児島県・沖縄県)、「利尻・礼文・サロベツ原野」(北海道)、「大雪山と日高山脈を統合した地域」(北海道)、「飯豊・朝日連峰」(山形県・新潟県・福島県)、「九州中央山地周辺の照葉樹林」(宮崎県)などの暫定リストへの登載準備を進めるべきです。

 文化遺産関係では、現在、暫定リストに登録されているのは11件で、「古都鎌倉の寺院・神社ほか」(神奈川県)、「彦根城」(滋賀県)、「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」(奈良県)、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎県)、「国立西洋美術館本館」(東京都)、「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道・青森県・秋田県・岩手県)、「明治日本の産業革命遺産-九州・山口と関連地域」(福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・鹿児島県・山口県・静岡県・岩手県)、「宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)、「百舌鳥・古市古墳群」(大阪府)、「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」(新潟県)、それに登録範囲の拡大をめざす「平泉仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」(岩手県)であり、登録要件が整いポテンシャルの高いものについては、逐次、暫定リストに追加していくべきでしょう。【図表1

 ユネスコの規定の変更で、毎年、登録推薦できる数にも限りがあるため、戦略的に登録推薦を進めていく必要があります。

 なかでも、これまでに登録されているものとは異なる時代、分野、地域を代表し、「日本らしさ」と「独自性」を有するものが望ましいです。

 

世界無形文化遺産、世界記憶遺産、日本遺産などとの連環

 

 身近な自然景観、地形・地質、生態系、生物多様性などの自然環境や、遺跡、建造物群、モニュメント、伝統芸能、伝統工芸技術、文書や記録などの文化財が、将来的に、世界遺産、世界無形文化遺産、世界記憶遺産、それに、2015年に文化庁が新設した日本遺産になる場合があります。

 究極的には、世界的な「顕著な普遍的価値」を有する「世界遺産」と共に、文化の多様性と人類の創造性の代表的なものとして「世界無形文化遺産」になったもの、或は、世界の歴史上重要な価値を有する「世界記憶遺産」になったものもあります。

 多面的、重層的な遺産の保護は、地域やまちの遺産価値を相乗的に高めます。【図表2

 

 おわりに

 

 2015年は、戦後70周年、国際平和と国土の安全と安心が原点にあっての誇れる郷土でありたいものです。





















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