世界遺産教育の現状と課題について










 世界遺産条約が1972年11月16日の第17回ユネスコ総会で採択されて40年年が経過し、世界遺産条約締約国は、185か国になり、 世界遺産の数も981物件(自然遺産 193物件 文化遺産 759物件 複合遺産 29物件)で、160か国にわたって分布しています。

 わが国は、世界遺産条約を1992年6月30に受諾して20年が経過し、世界遺産の数は、17物件(自然遺産 4物件 文化遺産 13物件)になりました。

 これまでは、世界遺産の選定事業に力が注がれてきましたが、今後、重要になってくることは、既登録物件をいかに保護、保全し、未来へと継承していくか保存事業にも力を注いでいかなければなりません。

 一方において、世界遺産の保護、保全を損なうことなく、自然遺産や文化遺産の利活用のあり方も検討していかなければなりません。その一つが世界遺産教育であり、世界遺産学習です。

 世界遺産は、自然科学、人文科学、或は、社会科学など多角的な学問、或は、学習分野を包含しています。また、老若男女を問わず、生涯にわたって学習できる機会を与えてくれる興味深いテーマです。

 世界各地で、世界遺産を教育に導入する試みがなされています。また、わが国においても、学校教育、職業教育、生涯教育の各教育分野での、取組みが進行中です。

 当方の世界遺産総合研究所でも、各地からの要請に基づき、「世界遺産講座」を出講しています。これも、学校、企業、公共施設等で、対象やニーズが異なるのが現実です。また、教材についても試行錯誤の中で、工夫や改善を行っています。

 ここでは、まず、「わが国における世界遺産教育の現状と課題」について、実情を把握したいと考えていますので、教育者、学習者、或は、各種の教育施設、各種のメディア関係者の方々から、「日本における世界遺産教育」についてご提言をお寄せ頂ければ、有り難く思います

 なかでも、日本の世界遺産地の皆様からのご提言を期待しています。


 連絡先:世界遺産総合研究所 世界遺産教育担当


【本稿改訂記録】  第1次 2008年5月17日
              第2次 2013年10月20日

調査期間:2004年11月1日〜
テーマ:日本における世界遺産教育の現状と課題


 はじめに

 日本の世界遺産の紹介

  日本と世界遺産条約
  日本の世界遺産

 日本における世界遺産教育の意義

  日本における世界遺産の認知度と関心
  日本における世界遺産の果たすべき役割
  日本における世界遺産教育の意義

 日本における世界遺産教育の現状


  ■学校教育(含むASP学校) 

    幼児教育

    小学校

      教科学習( 国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、家庭、体育)
      道徳
      総合的な学習の時間
      特別活動(A 学級活動、B児童会活動、 C クラブ活動、D 学校行事< (1) 儀式的行事、(2) 学芸的行事、
            (3) 健康安全・体育的行事、(4) 遠足・集団宿泊的行事、 (5) 勤労生産・奉仕的行事>)
    中学校

      教科学習( 国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭、外国 語、その他特に必要な教科)
      道徳
      総合的な学習の時間
      特別活動(A 学級活動、B 生徒会活動、C 学校行事<(1) 儀式的行事、(2) 学芸的行事、
            (3) 健康安全・体育的行事、(4) 旅行・集団宿泊的行事、(5) 勤労生産・奉仕的行事>)
    高校

       教科学習
        普通教育(国語、地理歴史、公民、数学、理科、保健体育、芸術、外国語、家庭、情報)
        専門教育(農業、 工業、商業、水産、家庭、看護、情報、福祉、理数、体育、音楽、美術、英語)
      総合的な学習の時間
      特別活動( A ホームルーム活動、B 生徒会活動、C 学校行事<(1) 儀式的行事、(2) 学芸的行事、
            (3) 健康安全・体育的行事、(4) 旅行・集団宿泊的行事、(5) 勤労生産・奉仕的行事>)
    大学

      教養科目
      専門科目
       世界遺産学等
      ゼミナール
      卒業論文

    大学院

      専門科目
       世界遺産学等
      ゼミナール
      卒業論文

    共通

      入学試験問題


  ■職業教育 

    世界遺産関係の職業従事者 

      国際公務員
      行政(公務員)
      世界遺産所有者
      世界遺産管理者
      教員
      社会教育主事
      学芸員
      観光業従事者
      旅行業従事者
      ガイド
      添乗員


  ■社会教育 

    一般大衆
      メディア
        新聞
        テレビ
        ラジオ
        インターネット
        ビデオ
        CD
        DVD
      社会教育施設
        公民館
        図書館
        博物館
        美術館
        資料館        

  ■家庭教育 

    読書
    テレビ鑑賞
    インターネット
    話題
    旅行


 日本における世界遺産教育の課題

  ■知識教育

    教育の場
      学校
      職場
      社会教育施設
      家庭
    教育者
    教材
      World Heritage in Young Hands
      マルチメディア教材
      新聞  ※NIE(Newspaper in Education 教育に新聞を)

  ■体験教育

    教育の場
      世界遺産地
      世界遺産関連施設
    教育者
    教材

  ■生涯教育

    教育の場
      生涯教育(学習)センター
    教育者
    教材


 世界遺産教育を通じた交流

  ■国内交流

    学校間交流
      学会
      研究会
      ワークショップ
    職業間交流
    社会間交流

  ■国際交流

    学校間交流
      学会
      研究会
      ワークショップ
    職業間交流
    社会間交流

    世界遺産ユース・フォーラム、ワークショップ


 持続可能な世界遺産教育の発展に向けて

    国際教育
    異文化理解教育
    平和教育
    環境教育
    防災教育

 おわりに


    「国際世界遺産教育年」、或は、「国連世界遺産教育の10年」の創設の提唱




                                                               古田 陽久






参 考


<国際の10年>


1994〜2004 世界の先住民の国際の10年
1995〜2004 国連人権教育の10年
1997〜2006 貧困撲滅のための国連の10年
2001〜2010 開発途上国、特にアフリカにおけるマラリア撲滅の10年
2001〜2010 第2次植民地撤廃のための国際の10年
2001〜2010 世界の子どもたちのための平和の文化と非暴力のための国際の10年
2003〜2012 国連識字の10年:すべての人に教育を
2005〜2014 国連持続可能な開発のための教育の10年
2005〜2015 「命のための水」国際の10年(2005年3月22日から)


<国際年>


2006年 砂漠と砂漠化に関する国際年
2005年 世界物理年
2005年 スポーツと体育の国際年
2005年 国際マイクロクレジット年
2004年 奴隷制との闘争とその廃止を記念する国際年
2004年 国際コメ年
2003年 国際淡水年
2002年 国際エコツーリズム年
2002年 国際山岳年
2002年 国連文化遺産年
2001年 人種主義、人種差別、排外主義、不寛容に反対する動員の国際年
2001年 国連文明間の対話年
2001年 ボランティア国際年
2000年 国際感謝年
2000年 平和の文化のための国際年
1999年 国際高齢者年
1998年 国際海洋年
1996年 貧困撲滅のための国際年
1995年 第二次世界大戦の犠牲を記念する世界年
1995年 国連寛容年
1994年 国際スポーツ年
1994年 国際家族年
1993年 世界の先住民の国際年
1992年 国際宇宙年
1990年 国際識字年
1987年 家のない人々のための国際居住年
1986年 国際平和年
1985年 国連年
1985年 国際青少年年
1983年 世界コミュニケーション年
1982年 南アフリカ制裁国際年
1981年 国際障害者年
1979年 国際児童年
1978/79年 国際反アパルトヘイト年
1975年 国際婦人年
1974年 世界人口年
1971年 人種差別と闘う国際年
1970年 国際教育年
1968年 国際人権年
1967年 国際観光年
1965年 国際協力年
1961年 国際保健医療研究年
1959/60年 世界難民年
1957年 国際地球観測年

















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