ユネスコ世界遺産は「琉球王国のグスク及び関連遺産群」など690物件に





 2000年11月27日から12月2日まで,オーストラリアのケアンズで開催されていたユネスコ(国連教育科学文化機関)の第24回世界遺産委員会で,「Gusuku Sites and Related Properties of the Kingdom of Ryukyu」(琉球王国のグスク及び関連遺産群)が,新たに,ユネスコの「世界遺産リスト」に登録された。
 今回,新たに登録された物件は,61物件(自然遺産 10物件,文化遺産 50物件,複合遺産 1物件)。(この他に,既に登録されている物件のうち登録遺産範囲の拡大・延長,登録物件名や登録基準の追加等が行われたものが5物件)
 これで,ユネスコ世界遺産は,690物件(自然遺産 138物件,文化遺産 529物件,複合遺産 23物件)になった。
 また,自然や人為的災害が原因で,「危機にさらされている世界遺産リスト」に登録された物件は,イエメンのHistoric Town of Zabid (ザビドの歴史都市),セネガルのDjoudj National Bird Sanctuary(ジュディ鳥獣保護区),パキスタンのFort and Shalamar Gardens in Lahore(ラホールの城塞とシャリマール庭園)の3物件が,今回,新たに加えられ30物件となった。
 今回,新たに,「世界遺産リスト」に登録された物件は,これまでの物件同様,いずれも「顕著な普遍的価値」を有しており,また,ユニークな物件も含め多様性に富んでいる。
 世界遺産条約締約国(161か国)のうち,アゼルバイジャン,マレーシア,ニカラグア,スリナムの4か国の物件が,今回,初めて登録され世界遺産登録地がある国は,122か国になった。
 また,「慶州の歴史地域」(韓国),「明・清王朝の皇帝陵墓群」(中国),「ヴェローナ市街」(イタリア),「ブルージュ(ブルッヘ)の歴史地区」(ベルギー),「ティワナコ」(ボリビア)なども登録された。
 今回,「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が新たに登録された(日本国内では11件目,日本の文化遺産では9件目)ことにより,日本国内にあるユネスコ世界遺産は,「法隆寺地域の仏教建造物」(奈良県生駒郡斑鳩町),「姫路城」(兵庫県姫路市),「屋久島」(鹿児島県熊毛郡屋久町,上屋久町),「白神山地」(青森県西津軽郡,中津軽郡 秋田県山本郡),「古都京都の文化財(京都市 宇治市 大津市)」(京都府京都市,宇治市,滋賀県大津市),「白川郷・五箇山の合掌造り集落」(岐阜県大野郡白川村,富山県東砺波郡平村,上平村),「広島平和記念碑(原爆ドーム)」(広島県広島市),「厳島神社」(広島県佐伯郡宮島町),「古都奈良の文化財」(奈良県奈良市),「日光の社寺」(栃木県日光市),「琉球王国のグスク及び関連遺産群」(沖縄県)の11物件となった。
 尚,第25回世界遺産委員会は,2001年12月11日から16日まで,フィンランドのヘルシンキでの開催が予定されている。

 新登録物件を含めた最新のユネスコ世界遺産の一覧については,2001年1月に発刊する「世界遺産データ・ブック−2001年版ー」,それに,「世界遺産マップス−地図で見るユネスコの世界遺産ー2001改訂版」をご参照頂きたい。(新物件のプロフィールについては,現在刊行中の「世界遺産ガイド」シリーズの中で,適宜,紹介していきたいと考えている)

 また,新しく登録される日本の「「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の物件概要については,同じく2001年1月に発刊する「世界遺産ガイドー日本編ー 2001改訂版」をご参照頂きたい。本書では,先般,文化庁から発表された,新たに「暫定リスト」に加わる「平泉の文化遺産」,「紀伊山地の霊場と参詣道」,「石見銀山遺跡」の物件概要についても簡単に触れたいと考えている。
(H・F)












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