（トピックス） 　2000年11月27日から12月2日までの6日間，オーストラリアのケアンズで開催された第24回世界遺産委員会で， 新たにGusuku Sites and Related Properties of the Kingdom of Ryukyu（琉球王国のグスク及び関連遺産群）をはじめ 61物件（自然遺産 10物件，文化遺産 50物件，複合遺産 1物件）が「世界遺産リスト」に登録されました。 これで，ユネスコ世界遺産は690物件（自然遺産　138物件，文化遺産　529物件，複合遺産　23物件）になりました。 　（1）新たに「世界遺産リスト」に登録された物件　61物件（39か国）　Newは初出国　�@�A�B�C�D�Eは登録基準 　　【自然遺産】　　10物件 　Newマレーシア　Kinabalu Park（キナバル公園）　�A�C 　Newマレーシア　The Gunung Mulu National Park（ムル山国立公園）　�@�A�B�C 　　　　オーストラリア　The Greater Blue Mountains Area（グレーター・ブルー・マウンテン地域）　�A�C 　　　　イタリア　 Isole Eolie(Aeolian Islands）（エオリエ諸島（エオリアン諸島））　�@ 　　　　スウェーデン　The High Coast （ハイ・コースト）　�@ 　Newスリナム　Central Suriname Nature Reserve（中央スリナム自然保護区）　�A�C 　　　　ボリビア　Noel Kempff Mercado National Park（ノエル・ケンプ・メルカード国立公園）　�A�C 　　　　ブラジル　Jau National Park（ジャウ国立公園）　�A�C 　　　　ブラジル　Pantanal Conservation Complex（パンタナル保護区群）　�A�B�C　 　　　　アルゼンチン　Ischigualasto - Talampaya Natural Parks（イチグアラスト・タランパヤ自然公園）　�@ 　　【文化遺産】　50物件 　　　　オマーン　The Frankincense Trail（乳香フランキンセンスの軌跡）　�B�C 　　　　中国　Ancient Villages in Southern Anhui-Xidi and Hongcun（安徽省南部の古民居群-西逓村と宏村）　�A�C�D 　　　　中国　 Imperial Tombs of the Ming and Qing Dynasties（明・清王朝の陵墓群　）�@�A�B�C�E 　　　　中国　Longmen Grottoes（竜門石窟）　�@�A�B 　　　　中国　Mount Qincheng and the Dujiangyan Irrigation System 　　　　　　　　　（青城山と都江堰の灌漑施設）　�A�C�E 　　　　韓国　Koch'ang, Hwasun, and Kanghwa Dolmen Sites（高敞，和順，江華のドルメン遺跡）　�B 　　　　韓国　Kyongui Historic Areas（慶州の歴史地域）　�A�B 　　　　日本　Gusuku Sites and Related Properties of the Kingdom of Ryukyu 　　　　　　　　　（琉球王国のグスク及び関連遺産群）　�A�B�E 　　　　イタリア　Assisi ，the Basilica of San Francesco　and other Franciscans Sites 　　　　　　　　　　　（アッシジ，聖フランチェスコのバシリカほかフランチェスコ派の遺跡）　�@�A�B�C�E 　　　　イタリア　City of Verona（ヴェローナ市街）　�A�C 　　　　フランス　The Loire Valley between Maine and Sully-sur-Loire 　　　　　　　　　　　　（メーヌとシュリー・シュル・ロワールの間のロワール渓谷）　�@�A�C 　　　　　　　　　　(注）既登録のシャンボール城（登録基準�@）はこの物件の登録範囲に統合されました。 　　　　スペイン　Archaeological Site of Atapuerca（アタプエルカの考古学遺跡）　�B�D 　　　　スペイン　Catalan Romanesque Churches of the Vall de Boi　 　　　　　　　　　　　　（ボイ渓谷のカタルーニャ・ロマネスク教会群）　�B�C 　　　　スペイン　TheArchaological Ensemble of Tarraco（タラコの考古学遺跡）　�A�B 　　　　スペイン　Palmeral of Elche（エルチェの椰子園）　�A�D 　　　　スペイン　The Roman Walls of Lugo（ルゴのローマ時代の城壁）　�C 　　　　イギリス　Blaenavon Industrial Landscape（ブレナヴォンの産業景観）　�B�C 　　　　イギリス　The Historic Town of St.George and Related Fortifications，Bermuda 　　　　　　　　　　　　（バミューダの古都セント・ジョージと関連要塞群）　�C 　　　　ドイツ　The Garden Kingdom of Dessau-Worlitz（デッサウ-ヴェルリッツの庭園王国）　�A�C 　　　　ドイツ　Monastic Island of Reichenau（ライヒェナウ修道院島）　�B�C�E 　　　　オーストリア　The Wachau Cultural Landscape（ヴァッハウの文化的景観）　�A�C 　　　　スイス　Three Castles, Defensive Wall and Ramparts of the Market Town of Bellinzone 　　　　　　　　　　（市場町ベリンゾーナの3つの城，防壁，土塁）　�C 　　　　オランダ　Rietveld Schroderhuis（Rietveld Schroder House）（リートフェルト・シュレーダー邸）�@�A　 　　　　ベルギー　Neolithic Flint Mines at Spiennes, Mons 　　　　　　　　　　　　（モンスのスピエンヌの新石器時代の火打石採掘場）　�@�B�C 　　　　ベルギー　Historic Centre of Brugge（ブルージュの歴史地区）　�A�C�E 　　　　ベルギー　Notre-Dame Cathedral in Tournai（トゥルネーのノートル・ダム大聖堂）　�A�C 　　　　ベルギー　The Major Town Houses of the Achitect Victor Horta 　　　　　　　　　　　　　（建築家ヴィクトール・オルタの主な邸宅）　�@�A�C 　　　　デンマーク　　Kronborg Castle（クロンボー城）　�C 　　　　スウェーデン　The Agricultural Landscape of Southern Oland（エーランド島南部の農業景観）　�C�D 　　　　リトアニア／ロシア　Curonian Spit（クルシュ砂州）　�D 　　　　チェコ　Honorary Trinity Column in Olomouc（オロモウツの聖三位一体の塔）　�@�C 　　　　スロヴァキア　Bardejov Town Conservation Reserve（バルデヨフ市街保全地区）　�B�C 　　　　ハンガリー　The Pecs（Sopianae） early Christian Cemetery 　　　　　　　　　　　　　　（ペーチュ（ソピアネ）の初期キリスト教徒の墓地）　�B�C 　　　　ベラルーシ　The Mir Castle Complex（ミール城の建築物群）　�A�C 　　　　クロアチア　Cathedral of St.James in Sibenik（シベニクの聖ジェームス大聖堂）　�@�A�C 　Newアゼルバイジャン 　TheWalled City of Baku with the Shivanshah's Palace and Maiden Tower 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（シルヴァン・シャフ・ハーンの宮殿と乙女の塔がある城塞都市バクー）　�C 　　　　アルメニア　The Cathedral and churches of Echmiatsin and the Archaeological Site of Zvartnots 　　　　　　　　　　　　　（エチミアジンの聖堂と教会群およびスヴァルトノツの考古学遺跡）　�A�B 　　　　アルメニア　The Monastery of Geghard and the Upper Azat Valley 　　　　　　　　　　　　　（ゲガルド修道院とアザト峡谷の上流）　　�A 　　　　ウズベキスタン　Historic Centre of Shakhrisyabz（シャフリサーブス歴史地区）　�B�C 　　　　ロシア　Historic and Architectural Complex of the Kazan Kremlin（カザン要塞の歴史的建築物群）　�A�B�C 　　　　ロシア　The Ensemble of Ferapontov Monastery（フェラポントフ修道院の建築物群）　�@�C 　　　　タンザニア　The Stone Town of Zanzibar（ザンジバルのストーン・タウン）　�A�B�E 　　　　セネガル　Island of Saint-Louis（サン・ルイ島）　�A�C 　　　　キューバ　Archaeological Landscape of the First Coffee Plantations in the South-east of Cuba 　　　　　　　　　　　　（キューバ南東部の最初のコーヒー農園の考古学的景観）　�B�C 　Newニカラグア　Ruins of Leon Viejo（レオン・ヴィエホの遺跡）　�B�C 　　　　ベネズエラ　Ciudad Universitaria deCaracas（大学都市カラカス）　�@�C 　　　　ボリビア　Tiwanaku:Spiritual and Political Centre of the Tiwanaku Culture 　　　　　　　　　　　　（ティアワナコ：ティアワナコ文化の政治・宗教の中心地）　�B�C 　　　　ペルー　Historic Centre of the City of Arequipa（アレキパの歴史地区） �@�C 　　　　チリ　The Churches of Chiloe（チロエ島の教会群）　�A�B 　　　　アルゼンチンThe Jesuit Block and the Jesuit Estancias of Cordoba（コルドバのイエズス会街区と領地）　�A�C 　　 【複合遺産】　　1物件 　　　　南アフリカ　　Ukhahlamba-Drakensberg Park（オカシュランバ・ドラケンスバーグ公園） 　自然�B�C　文化�@�B 　（2）登録範囲の拡大・延長　　4物件 　　　　中国　The Potala Palace and the Jokhang Temple Monastery, Lhasa（ラサのポタラ宮と大昭寺）　 　　　　中国　The Classical Gardens of Suzhou（蘇州の古典庭園） 　　　　クロアチア　Plitvice Lakes National Park（プリトヴィチェ湖群国立公園） 　　　　アルメニア　The Monasteries of Haghpat and Sanahin（ハフパットとサナヒンの修道院） 　（3）登録基準の変更　　1物件 　　　　ベトナム　Ha Long Bay（ハーロン湾）　�B　→　�@�B 　（4）新たに「危機にさらされている世界遺産リスト」に登録された物件　　3物件 　　　　イエメン　Historic Town of Zabid（ザビドの歴史都市）　理由　劣化 　　　　セネガル　Djoudj National Bird Sanctuary（ジュディ鳥獣保護区）　理由　藻の繁殖 　　　　パキスタン　Fort and Shalamar Gardens in Lahore（ラホールの城塞とシャリマール庭園）　理由　道路の拡張 　（クローズ・アップ） 　琉球王国のグスク及び関連遺産群 　今回，Gusuku Sites and Related Properties of the Kingdom of Ryukyu（琉球王国のグスク及び関連遺産群）が， 新たに登録された（日本国内では11件目，日本の文化遺産では9件目）ことにより，日本国内にあるユネスコ世界遺産は，11物件になった。 　　正式名称　Gusuku Sites and Related Properties of the Kingdom of Ryukyu　 　　和訳　琉球王国のグスク及び関連遺産群 　　遺産種別　文化遺産 　　登録基準�A　ある期間を通じて，または，ある文化圏において建築，技術，記念碑的芸術，町並み計画， 　　　　　　　　　　　景観デザインの発展に関し，人類の価値の重要な交流を示すもの。 　　　　　　　　　�B現存する，または，消滅した文化的伝統，または，文明の，唯一の，または少なくとも稀な証拠となるもの。 　　　　　　　　　�E顕著な普遍的な意義を有する出来事，現存する伝統，思想，信仰，または芸術的，文学的作品と直接に， 　　　　　　　　　　または，明白に関連するもの。 　　物件の概要　琉球王国とは，1429年に成立し，1879年に沖縄県設置によって日本になるまでの約450年にわたり， 　　　日本の南西諸島に存在した王制の国。琉球王国は，中国をはじめ，日本，朝鮮，東南アジア諸国との 　　　外交・貿易を通じて，海洋王国へと発展した。 　　　琉球王国のグスク及び関連遺産群は，下記する9資産で，その中には， 　　　重要文化財2棟，史跡7，名勝1が指定されている。 　　　登録遺産の面積は， 54.9ヘクタール　緩衝地帯の面積　559.7ヘクタール　合計　614.6ヘクタール。 　　　琉球王国のグスク及び関連遺産群は，琉球が琉球王国への統一に動き始める14世紀後半から， 　　　琉球王国が確立した後の18世紀末にかけて生み出された琉球地方独自の特徴を表す文化遺産群。 　　（注）沖縄では，「城」と書いて「グスク」と読む。本土でいう「城」とは異なり，必ずしも武将のいた場所を意味しない。　　　　　 　　　　　　沖縄の「グスク」には，必ず霊地としての役割があり，地域の信仰を集める場所であったと考えられている。 　世界遺産の保護担保措置　文化財保護法　重要文化財，史跡，名勝　 　所在地　沖縄県那覇市，国頭郡今帰仁村，中頭郡読谷村，中頭郡勝連町，中頭郡北中城村・中城村，島尻郡知念村

（出所）「世界遺産データ・ブックー2001年版ー」（シンクタンクせとうち総合研究機構　発行） 新物件の日本語訳(翻訳者　古田陽久，古田真美）などを インターネット，書籍等に転載，引用される場合には， 事前に，当シンクタンク事務局まで，必ず，ご連絡下さい。